写真 こんにちは。これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
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◆恋愛経験の乏しい人が、恋愛や結婚を“誤解する”仕方ない理由
恋愛経験が乏しい方の婚活は、異性に対する思い込みに気が付いてもらうことが重要です。現実的ではないロマンティックすぎる過剰な憧れや期待を持っている方もいますし、DVやモラハラのニュースを見てそれがまるで多くの男性に当てはまることのように錯覚し過剰に不安になる方もいます。
ただ、実態とずれてしまうのは仕方がない部分もあります。恋愛経験が乏しい方の場合、男友達はほぼいません。異性の友達もいてたまたまお付き合いの経験だけが乏しいことはレアです。さらに同性の友達にも恋愛経験が豊富なタイプはおらず、恋バナで盛り上がった経験がないことが多いのです。
◆「コロナ禍のせいで」未婚のまま30代に突入
加奈子さん(仮名・33歳/金融業)もそんなお一人です。神奈川県生まれで中高一貫女子校に進学し、東京都町田市にある某有名大学の社会系学部を卒業しています。婚活を開始しようと思っていたけれど、たくさんのサービスがあり自分に合うのはどれなのかがよくわからずご相談にやってきました。
加奈子さんいわく「20代後半でコロナ禍になって飲み会などがなくなり、日常での出会いがなくなりました。それで気が付いたら30代になってしまった」とのことでした。
お会いした印象は、「マイナスの意味で年齢不詳」です。大きめの白いセーターを着て、子ども時代から変わらないような前髪でした。ファンデーションを塗っているのは分かるのですが、同年代の東京の女性がやるような下まぶたへのメイクや眉マスカラなどはしていません。40代にも見えるし、逆に大学生ぐらいにも見えてしまいます。
そんな垢抜けていない加奈子さんの職場は、住宅街の中にある銀行だそうです。大学時代は町田近郊でアルバイトをし、友達と遊ぶとしても町田や横浜方面が多く、渋谷や恵比寿や銀座などの街は行くことがないそうです。
◆マッチングアプリは怖いし、そこまで必死じゃないんです
加奈子さんはコロナのせいで独身だったと言うのですが、世の中では“コロナのせいで”マッチングアプリの利用率が上がりました。彼女には、マッチングアプリの利用経験がないそうです。理由を尋ねると、こんなやり取りになりました。
「だって、既婚者が登録していたり、結婚願望がない男性もいたりするんですよね。個人情報が流出しても困るし、危なそうだから」
「そういうリスクもありますよね。じゃ、結婚相談所を使いましょうか」
「結婚相談所って入会して3カ月で結婚しなきゃいけないんですよね。何が何でも結婚したいわけじゃないですし、まずは恋愛して、結婚したいと思ってからじゃないと」
◆結婚って女性にメリットがあまりないじゃないですか
「そうですよね。結婚相談所は出会ってから3カ月で『真剣なお付き合いに進むかどうか』を決めなきゃいけないところもあるけど、成婚料もなくてお付き合い後のペースは自由に進めていい、というところもありますよ。どこの結婚相談所でも独身証明書や年収の証明書の提出は必要なので、既婚者が紛れることはないです。結婚までのルールが多くないサービスを使ってもいいと思いますよ」
「でもそこまでして結婚にこだわっているわけじゃないんです。子どもを産みたいわけじゃないし、結婚って女性にメリットがあまりないじゃないですか。共働きでも家事って女性の方がやるし、負担が大きいですよね」
まだ誰からも告白さえされていないのに、結婚後の家事分担を妄想して不安になっていた加奈子さん。たしかに、女性の方が結婚後の家事育児の負担が多いという問題についての報道はありますが。
◆婚活では、男性の負担だって大きいのに
「家事の負担って……まだお付き合いもしていないじゃないですか。結婚前に話し合いすればいいし、家事力がある人とお付き合いすることだってできるんですよ。いろんな家族の形があるので、必ず女性の方が大変なんてことはないですから。
それに、男女平等の時代といいながらもデート代は男性が負担することが多いし、デートプランの提案も男性が提案するケースが多い。婚活では、男性の負担だって大きいんですよ」
「そうなんですか」
「それより、婚活すればすぐ結婚できるって思ってません? 何も始まっていないのに、妄想で不安になりすぎですからね。加奈子さんがこのまま婚活しても、同年代男性から選んでもらえないかもしれないんですよ」
「え! 私がもう30代だからですか?」
◆自分の外見レベルを上げてから婚活した方がいい
「33歳はたしかに有利な年齢ではないけど、問題はそこじゃないです。加奈子さんは実年齢より上にも見えるし、あまり垢抜けていないんです。恵比寿や渋谷にいる33歳女性はもっとオシャレで、婚活ではそういう方がライバルになるんですよ。結婚相談所でも写真で興味を持たれないと、自己紹介文は読んですらもらえないんです。
婚活では、人気レベルが自分と同じ相手としか結婚できないんです。申し訳ないけれど、今の加奈子さんだと人気女性にはなれないです。女性の人気は、外見が一番影響します」
筆者は女性からの相談が多いので、マッチングアプリを男性で登録し、登録している女性たちを閲覧できるようにしています。説明のために、加奈子さんに男性が見ているマッチングアプリの検索画面を見せました。
「かわいい人ばっかりなんですね」
「そうなんですよ。こういう人と比較検討されちゃうんです。ヘアセットとかメイクは習って、外見レベルを上げてから婚活した方がいいですよ」
◆チークや口紅、使わなくても普通だと思ってた
加奈子さんの普段のメイクを聞くと、下地とファンデーションを塗り、眉毛を書き足し、たまにアイシャドウをぬる程度でした。チーク、コンシーラー、ハイライト、口紅は、使うことがないそうです。
「職場に派手な人がいないし、友達もこんな感じだし、普通だと思ってました」
「そうですよね。繰り返しになりますが、婚活すると丸の内や恵比寿で働くキラキラOLと同じ土俵に立つんですよ」
加奈子さんはメイクレッスンに行くことを約束してくれました。
◆年上の男性からしかアプローチされない理由
彼女の場合は婚活前にご相談に来てくれたからよかったのですが、結婚相談所などに登録したところで、外見のアドバイスはほとんどされません。
もし女性がしばらく婚活してみて、年上の男性からしか申込み(※会いたいという意思表示)がないとすれば、原因は同年代女性の中では外見が見劣りするからです。年齢だけを見て「若い」と思ってくれるかなり年上の男性にしか、魅力を感じてもらえていない状態だと思ってください。
※個人が特定されないよう一部脚色してあります。
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt