「子どもの頃から大人たちの犠牲になってきた」就職氷河期世代・40歳女性の不満「平等に賃金を上げて」

夏の参院選を見据えて、与野党が支援策を打ち出したことで、「就職氷河期世代」が注目を集めています。1993〜2004年ごろの雇用環境の厳しいときに就職活動をした就職氷河期世代は、今の40〜50代前半が中心で全国に約1700万人以上。

厚生労働省の財政検証では、30年後にもらえる基礎年金は3割減るとされ、低年金化が危ぶまれています。

All About編集部は就職氷河期世代のユーザーを対象に、就職活動での経験や現在の年収や暮らしへの影響などに関するアンケートを実施。彼らは今、どのような思いを抱いて生活しているのか。今回は、宮城県在住40歳女性のエピソードを紹介します。

回答者のプロフィール

回答者本人：40歳女性
家族構成：既婚（子あり）
雇用形態：パート・アルバイト
職業：販売職
世帯年収：750万円
現在の年収や暮らしに満足しているか：満足していない

エントリーシートだけで50社以上落とされた

女性は就職活動で苦労したりつらい思いをしたりしたことがあると回答。

「新卒での就職率が当時は悪く、エントリーシートだけで50社以上落とされた経験があります。面接までなかなかいけなかったことが辛かったです」

そして、就職活動の結果には満足できなかったと言います。

「最終的に内定をもらえた所に入社ができましたが、今でいうブラック企業でした。入社1年以内に辞めてしまう人が90％だったので、すごく不安でした」

夫も就職氷河期世代

女性は就職氷河期が現在の年収や暮らしに影響を与えていると回答。

夫も氷河期世代だそうで、「今の新卒の方が賃金の上げ幅が大きいようです。世帯年収も若い共
働き夫婦の方があるのかもしれないなと感じてしまいます」と、若い人たちとの賃金格差を感じているようです。

「働いた分は平等に賃金を上げて欲しい」

「いつの世代が一番羨ましいと思うか」と聞いたところ、女性は60代以上と回答。その理由は「バブルを経験していて、楽してお金を稼げていた時代だと思うから」とのこと。

最後に、国や行政に伝えたいことを聞くと「子どもの頃から、大人たちの犠牲になってきた世代だと思います。せめて、世代で変わることなく、働いた分は平等に賃金を上げて欲しいです」と語り、世代間ギャップに不満を抱いている様子がうかがえました。

＜参考＞
厚生労働省「就職氷河期世代の方々への支援のご案内」

＜調査概要＞
就職氷河期世代に関するアンケート
調査方法：インターネットアンケート
調査期間：2025年5月23日
調査対象：全国30〜50代の100人（男性：48人、女性：51人、回答しない：1人）

※回答者のコメントは原文ママ
(文:All About 編集部)