『僕のヒーローアカデミア』原画展の前にファンブックを読むべし 歴代編集者たちが太鼓判を押す「最高のヒーロー」の物語

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2025年06月01日 08:00  リアルサウンド

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堀越耕平 X(@horikoshiko)より

 累計発行部数が1億部を突破した堀越耕平による『僕のヒーローアカデミア』。2024年8月に10年に及んだ連載は完結したが(コミックス最終巻は同12月発売)、今月に入りファイナルファンブックが刊行されたほか、6月には初の公式画集の発売や原画展の開催も予定されるなどその勢いは止まることを知らない。


参考:【画像】『僕のヒーローアカデミア』堀越耕平がXに投稿した蛙吹梅雨のイラスト


 作者・堀越耕平のX公式アカウントでも、洞窟の池から放たれた青白く幻想的な光に照らされる蛙吹梅雨(あすい つゆ)のイラストが5月20日に投稿され、「来月6月、画集の発売と原画展開催です。よろしくお願いします!」との告知コメントが添えられている。


 原画展は、6月21日から8月31日にかけてCREATIVE MUSEUM TOKYOにて開催される(2025年秋に大阪でも開催予定)。公式サイトでは「堀越氏が『ヒロアカ』にかけた情熱と、その熱量を体感できる展覧会」と力強く打ち出している。アナログで描かれた生原稿はもちろん、デジタル作画に移行してからの制作過程で生まれた資料なども見れるそうだ。画力に定評がある堀越の絵の変遷も楽しめるだろう。堀越が「原稿と全然違うことも多かった」とコメントしているネーム(漫画を描く前に作る絵コンテのようなもの)も併せて展示される予定だ。


 また、緑谷出久が最終決戦前に気を張り詰めすぎてヴィランと見間違えられるほど殺気立ち消耗した通称”黒デク”が、堀越耕平が本展覧会のために描き下ろしたスケッチを基に制作された等身大のフィギュアになって展示される。誰一人として寄せ付けることを許さぬほどトゲついた黒ムチは圧巻のクオリティになりそうだ。


 グッズ販売も見ものだ。定番のカンバッチやステッカーだけでなく、頭にかぶると常闇踏陰(とこやみふみかげ)の気分を味わえる「常闇踏陰のダークシャドウタオル」なども販売される。1日中本作の世界観に浸れるこのイベントは、プレゼント・マイクのテンションのごとく楽しみ尽くせるだろう。


 大注目の原画展だが、本作を読んだことはあるものの、「原画展に足を運ぶほど読み込んでないし……」と躊躇している人もいるだろう。そんな人こそ『僕のヒーローアカデミア ファイナルファンブック Ultra Age』を手に取って見てほしい。300ページを超える大ボリュームの本書には、100名を超える登場キャラクターの個性や性格などが事細かに掲載されているため、「あれ、このキャラなんだっけ?」となっても、キャラクターの名前から個性、どの話に登場したのかまで簡単に知ることができる。


 例えば、画集・原画展の告知と共にイラストが投稿された蛙吹梅雨については、USJ襲撃事件から第二次決戦までの活躍のほか、教師の忠告を無視して爆轟救出に向かった彼らに見せた感動のシーンまでが網羅されているだけでなく、「ケロピタグローブ」や「ケロキョロサーマルビジョン」といった、原作でも登場していないコスチュームの名前や機能までも紹介されている。


 さらに堀越への質問コーナーや、共に『ヒロアカ』を作ってきた編集者たちとのリレー対談も。1〜3話までが出来上がるまでの苦しみ抜いた1年間についてなど、堀越耕平はもちろん、『僕のヒーローアカデミア』は関わった全ての人の想いを紡いできた物語だということがわかるだろう。


 本編最終話では、家族のいざこざも解消され表情はよりにこやかになった轟焦凍や、イレイザーヘッドのように無精髭を伸ばしたセロファンこと瀬呂範太など、大人になった雄英高校1年A組の面々が描かれた。ファンブックでは、プロヒーローとして活躍する彼らについての小話も掲載されている。我々から見える物語は終わりを迎えたが、今もなお『ヒロアカ』の世界は動き続け、みんなが生きて活躍しているのだ。


(文=瀬川隆芽)



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