※写真はイメージです愛車をきれいにすることは、一番簡単なメンテナンスであると言われています。とはいえ、大きなクルマを手洗いするのは時間的にも体力的にも大変なので、洗車機を使って時短しようと思われる方もいらっしゃるでしょう。
ですが、友人・知人から「洗車機で洗うと傷つくよ」と言われたことがある人もいるのではないでしょうか。今回はディーラー勤務経験のある筆者が、洗車に関する豆知識をご紹介します。
◆「洗車機で車を洗うと傷がつく」は過去の話
一昔前の洗車機は、確かに傷がつきやすかったです。その理由は、クルマを洗うブラシにありました。使われている素材が硬かったからです。
また、洗車機の制御も今ほど正確ではないので、クルマの形に合わせた洗い方というのがされていないものもありました。強い力かつ硬いブラシでクルマを洗うことにより、傷がつきやすかったのです。
ただ、現在のガソリンスタンドなどに設置されている洗車機は、コンピューター制御がされているので、クルマの形にあった洗車をしてくれます。ブラシもスポンジや布製の柔らかいものに置き換わっていますので、手洗いをしているような感覚でクルマを洗うことができます。
最新式の洗車機の場合、ブラシではなく水圧でクルマを洗うノンブラシ洗車機というのも登場するなど、洗車機を取り巻く環境が大きく変わってきています。
◆間違った手洗い洗車こそ傷の原因になることも
クルマを大切にするなら絶対に手洗いだ、という方も少なくありません。しかし、クルマの洗い方によっては手洗い洗車の方が傷もつきやすいですし、落としにくい汚れが付着することだってあります。
街中を走るクルマで、ボディに円を描くような丸い傷や、縦横に無数の線傷がついているのを見たことがあるかもしれません。
これは間違った洗い方をされてしまった可能性が高いです。
また、洗いっぱなしで水滴を拭き取らないと水シミができてしまうこともあります。そのような状態になってしまうくらいなら、洗車機を使ったほうがきれいになると筆者は考えます。
◆車に優しい洗車の方法は?
最後に、手洗い洗車をするときに傷を極力つけない洗い方をご紹介します。
まず大切なのは、クルマをこする前に砂ぼこりを落とすことです。
砂ぼこりがついたままスポンジなどでクルマをこすると、それが原因となって傷となってしまいます。そうなる前に大量の水をボディにかけてから、洗うようにしましょう。
ボディを洗う際は円を描かないようにするのもポイント。横方向・縦方向のいずれかに統一して洗うことで、洗車傷が少しついたとしても目立ちにくいのでおすすめです。シャンプー洗車をするときは、シャンプーが残らないように大量の水で流しましょう。
じつは、洗車をするときの天候もポイントです。太陽が出ている天気こそ洗車日和と思うかもしれませんが、太陽光によって水がすぐに乾いてしまい、水道水に含まれるミネラル分によって水シミの原因にもなります。可能であれば曇りの日や屋根がついた駐車場などでクルマを洗うのがおすすめです。
洗い終わったら水滴を残さず拭き取るのも忘れずに。水滴が残っていると水シミの原因になるからです。特にこれからの暑い時期は水が乾きやすいので、ドアを1枚洗ったら拭き上げて、次の部分を洗う……というやりかたにしたほうが、ボディに悪影響を与えにくくなります。
大切な愛車を洗車する際は、ただ洗うだけではなく、ちょっとした工夫が仕上がりをより良くします。
<取材・文/宇野源一>
【宇野源一】
埼玉県在住の兼業ライター。大学卒業後、大手日系自動車ディーラーに就職。その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。X(旧Twitter):@gengen801