「平和の礎」に刻まれた犠牲者の名前を読み上げる友寄由唯さん=1日午前、沖縄県伊江村 沖縄県伊江村の伊江島で1日、平和祈念公園(同県糸満市)の「平和の礎」に刻まれた犠牲者の名前を読み上げる取り組みが始まった。沖縄戦犠牲者を追悼する23日の「慰霊の日」まで続き、国内外から参加した有志が、24万人以上の戦没者一人一人に思いをはせる。
開会式で玉城デニー県知事は、「悲惨な戦争体験が平和を願う県民の心の原点だ。読み上げを通して、沖縄の平和への思いが広がっていくことを心から願う」とあいさつした。
初めて参加した友寄由唯さん(13)は、読み上げた中には0歳の子どももいたと話し、「そんな小さい子もいたんだなと悲しい気持ちになった。たくさんの人が亡くなったことを改めて実感した」と声を落とした。主催した実行委員会の町田直美さん(68)は「世界中で戦争が起きている今、沖縄から平和を発信していきたい」と力を込めた。
沖縄県内や北海道、長野県などに設けられた会場のほか、オンラインでも参加でき、リレー方式で全戦没者の名前を読み上げる。実行委によると、きょうまでに国内外から約6000人の参加申し込みがあったという。
刻銘を読み上げる活動は2022年、県民らでつくる実行委が始めた。今年で4回目の開催を迎え、昨年は全国から約5800人が参加した。

「平和の礎」に刻まれた犠牲者の名前を読み上げる集いで、あいさつする沖縄県の玉城デニー知事=1日午前、沖縄県伊江村