
コメ価格の安定のため、政府は備蓄米の随意契約を急ピッチで進め、流通量を増やそうとしています。
【写真で見る】「合ってた!」古古古米と新しいコメの食べ比べに正解した小泉大臣
さらに注目されたのが「古古米」に「古古古米」。3〜4年前の古いコメです。
“随意契約=高速道路”で流通した備蓄米…店頭では即完売Q.何時から並んだ?
整理券1番
「5月30日の夜8時から」
5月31日に店頭販売が始まったのは、“2000円程度”で売り出すとされた備蓄米。入荷したホームセンターや大手スーパーでは、早朝から行列ができました。500袋を用意した店舗でも、10時の開店前に完売。
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購入客
「安いおコメを探して、あちこちいつも回っています。やっと買えたなって感じ」
この1週間、備蓄米の店頭販売までは、かつてない急ピッチで進みました。
小泉進次郎 農林水産大臣(5月28日)
「これ(随意契約)は高速道路をつくっているわけです。この高速道路でどんどん流していきたい」
小泉大臣が強調した“高速道路”とは、新たに始めた随意契約のシステム。JAなどの集荷業者や卸売業者を外し、大手の小売業者などに直接販売したのです。
最初に用意した「古古米」と呼ばれる2022年産の備蓄米は、20万トンの契約枠がすぐにいっぱいに。
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そこで、1回目の契約から外された中小の小売業者に対しては、さらに古いコメである2021年産の「古古古米」8万トンを用意しました。店頭販売価格も、2022年産米の古古米(2000円程度)よりさらに安い、1800円程度になるといいます。
「古古古米」の品質と味は? 小泉農水大臣が食べ比べ気になる品質をめぐっては…
国⺠⺠主党 玉木雄一郎 代表(5月28日)
「1年たったら動物のえさになるようなものをですね、安く売りますたって、安く出ますよそりゃ」
今回、出回ることになる「古古古米」は、収穫から4年近く経っているコメ。保存期間5年を過ぎた備蓄米は、飼料用などとして売却されるのです。
実際、「古古古米」の味はどうなのか。5月29日、農水省では、メディア関係者を招いて新しいコメとの食べ比べが行われました。
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小泉 農林水産大臣
「次は赤ですね…うん。ちょっと硬いかな」
Q.令和3年産米(古古古米)だと大臣が思うものは?
「ちょっとほかよりも少し硬さを感じたのはこの赤なんですが、正解を見ますね…あ、合ってた!
ちなみにうちの職員の中には、令和3年産米(古古古米)の炊きあがりの炊飯器を開けたときは、少しツンと臭いが、香りを感じたという方もいました」
古くなればそれなりに味が落ちるコメですが、少しでもおいしく食べられるカギが精米の技術です。
備蓄米の精米に関する問い合わせが相次いでいるエバーグリーン社では、3〜4年も前の古いコメは扱ったことがないといいます。
エバーグリーン 鈴木亮平 係長
Q.備蓄米だと通常のものと(精米)工程で何か変化は?
「(古いコメは)白くなりにくいので、いつもより圧力を調整して精米に仕上げていきます」
酸化が進んだ古いコメは、新米より多く削らなければいけないので、強めの圧力をかける必要があるのです。
エバーグリーン 鈴木 係長
「こちらが砕けてしまったコメを選別する機械になります。どうしても古いコメになると水分も少なくなって、割れやすくなる可能性がある」
Q.もしかしたら(備蓄米は)砕けたコメが多くなってしまう可能性がある?
「その可能性はあると思います。産地ですとか品種によっても(特徴が)全部違いますので、それぞれに合わせて精米する必要があります」
ともあれ、さらなる備蓄米の放出で、「古古米」に続いて店頭に並ぶ運びの「古古古米」。コンビニ大手も動いていて、1キロ単位での販売計画も。
ファミリーマート 富樫信人 執行役員
「1キロ袋ということは(古古古米を)食べたことのない方が食べていただきやすい」
3〜4年前の古いコメまで一気に放出する異例の政策は、“令和のコメ騒動”収束への一歩となるのでしょうか。