ASUSが2つに割ったキーボードでさよなら肩こり【道越一郎のカットエッジ】

　「ゲーミング」ナントカが大流行りだ。PCやディスプレーは言うに及ばず、椅子に棚、果ては毛布までと幅広い。ゲームの世界を極めんとする人々は、やはりこだわりが強烈。それに応える製品ともなれば、ハイスペックで信頼性が高く、モノによっては柔軟なカスタマイズにも対応する。まさにゲーマー御用達の製品群だ。とはいえ、用途はゲームプレイに限らない。例えばPC。動画編集や3D CADなど、PCパワーを必要とするクリエーターの要求にも、ゲーミングPCならハイレベルで応えられる。キーボードやマウスも同様だ。やるかやられるか……厳しい戦いを強いられるゲーマーと同様、いかに快適にPC作業が行えるか。その鍵を握るのが、キーボードやマウスといった、入力装置だ。ゲーマー向けの製品は快適な入力環境実現のためなら、ゲーマー以外でも使って損のない、優れたものも多い。

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　台湾の一大PCメーカー、ASUSの「ROG」は、ゲーマー向けPCとその関連機器ブランドとして有名だ。ROGとは「Republic of Gamers（ゲーマー共和国）」の略。ゲーマーのための豊富な製品群を擁する。そのROGブランドから、左右2分割タイプの無線キーボード「ROG Falcata」が登場する。テンキーレスのいわゆる75％キーボードで、左右に分かれるユニット間はケーブルで接続する。5月19日、台北市北投区のASUS本社で、各国のメディア関係者などを集めて開催した「ASUS＆ROG Media Day」でお披露目された。昨年登場した「ROG Azoth Extreme」も強烈なインパクトのあるキーボードだったが、Falcataも負けず劣らずこだわりの塊だ。とにかく自由度が高い。

　まず、最大の特徴はキーボードが左右2つに分かれることだ。肩幅に合わせ、左右のキーボードユニットを若干離して配置することで、自分に合う楽な入力姿勢が取れる。しかも裏面には左右5か所ずつ、計10か所にねじ穴が切ってある。それぞれに専用の「足」をねじ込めるようになっている。つまり、左右のキーボードの角度をそれぞれ柔軟に調整できるわけだ。水平でも構わないが、前後左右に傾けて置くことも可能。できるだけ手や腕に負担がかからないような角度が選べる。これで肩こりからも解放されそうだ。さらに0.1～3.5mmの範囲でアクチュエーション（キーをどの程度押したら入力できるかの深さ）を0.01mmステップで調整できる。これもゲーマー向けならではのこだわりだ。キー押下時の反応速度も1m秒と競合製品よりも約5倍も高速。ゲーム時に多用する左側だけでも使用でき、その際の連続バッテリー持続時間は、最長で122時間だ。独自の4層構造で、タイピング時に出る不快な雑音も抑えられている。究極のカスタマイズで自分好みの入力環境を手に入れれば、体感2倍速で原稿が書けそうなものだ。

　新しい無線ゲーミングマウス「ROG Harpe II Ace」も同じイベントで発表された。こいつの特徴は、48gと、とにかく軽いことだ。マウスを操作する際、存在を忘れて自分の手だけを動かしているような感覚を覚えるほど。それでいて解像度は4万2000dpiもあり、わずかな動きにも追従。まさに手に吸い付くような使い心地だ。素材にはバイオベースのナイロンを採用。軽量ながら堅牢性も併せ持つ。開発には、Esports Awards 2023のValorant部門で最優秀PCプレイヤーに選ばれたアメリカのプロゲーマー、Demon1氏も加わった。使用時のバランスなど、プロの意見がふんだんに取り入れられている。さらに、900×400mmと大型のマウスパッド「ROG Sheath II XXL」も発表された。高い冷却効率で放熱性が良く、快適にマウス操作が可能。ほつれ防や止滑り止めなどにもこだわった。

　ゲーミングキーボードに、ゲーミングマウス、おまけにゲーミングマウスパッドまでそろえれば、入力環境が劇的に改善することは間違いないだろう。この快適さをゲーマーだけに独占させるのはもったいない。入力デバイスを酷使する用途なら、ぜひこれらゲーミング製品を試してみてほしい。日本での発売は未定ながら、グローバルでは6月以降順次発売される予定だ。（BCN・道越一郎）

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