元部長に懲役2年求刑=三井住友信託銀インサイダー―東京地裁

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2025年06月02日 11:01  時事通信社

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時事通信社

東京地裁=東京都千代田区(AFP時事)
 三井住友信託銀行元社員によるインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反罪に問われた元同社証券代行営業第二部長の片山肇被告(55)の公判が2日、東京地裁(開発礼子裁判官)であった。検察側は「常習的で悪質」として、片山被告に懲役2年、罰金200万円、追徴金約6140万円を求刑。弁護側は執行猶予などを求めて結審した。判決は7月4日。

 これまでの公判で、片山被告は起訴内容を認め、弁護側が自首の成立を主張している。

 検察側は論告で、片山被告が企業の重要情報を管理する立場を悪用して、インサイダー取引を繰り返し、約2930万円の利益を得たなどと指摘。「強固な犯意に基づく常習的で悪質な犯行。利欲的な動機に酌量の余地はない」と非難した。

 弁護側は最終弁論で、発覚前に東京地検特捜部に申告したことで自首が成立したとして、追徴金の減額や執行猶予を訴えた。片山被告は最終意見陳述で、「大変迷惑をかけ、申し訳ございませんでした」と謝罪した。

 起訴状によると、片山被告は次長や部長だった2022年12月〜24年8月、業務を通じて知ったTOB(株式公開買い付け)情報を基に、3銘柄の計2万5900株を約3210万円で不正に買い付けたとされる。

 片山被告は昨年10月末、不正な株取引を会社に自主申告。同社は同11月に記者会見し、懲戒解雇したと発表した。 
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