サッと側溝に逃げ込む子猫 むき出しの警戒心「なんとかしないと」意外な結末迎えた保護大作戦

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2025年06月02日 17:10  まいどなニュース

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キャリーバッグに入ったクロミ姫ちゃん(画像提供:安田武史さん)

寒空の下、ひとりぼっちで歩道に佇んでいた黒猫の子。そんな小さな命と目が合ったときから、Xユーザー・安田武史さん(@LastCowboy)の心は動き始めました。のちに「クロミ」と名付けられたその猫は、今では「クロミ姫ちゃん」という愛称で呼ばれています。

【写真】側溝からひょっこり…保護前の黒猫さん、“ピリピリ警戒中”だった一枚

カリカリから始まった信頼の一歩…側溝で見守り続けた日々

2023年11月、飼い主さんの会社で働くスタッフの家の前に、クロミ姫ちゃんが現れました。まだ小さく、親猫の姿も見当たりませんでした。警戒心は強かったものの、カリカリご飯を少し離れた場所に置くと、そっと近づいて食べていたそうです。

「スタッフが12月に引っ越す予定だったので、このままだとご飯が食べられなくなるのでは…と心配になりました」

そこで飼い主さんは、ペースト状のおやつを用意し、毎晩与えてみることに。人の気配がするとすぐに道路の側溝に逃げてしまう状態だったため、おやつをそっと置いたところ、翌日には容器が空っぽになっていました。

「数日後、側溝から顔を出すようになって。カップを持って待っていると、恐る恐る近づいて舐めるようになったんです。ただ、他の人の気配がするとすぐに逃げてしまって。辛抱強くおやつをあげ続けました」

1週間ほど経つと、だいぶ近づいてくれるようになったため、飼い主さんは保護を決意。キャリーバッグの中におやつを置いて見守ることにしました。すると、意外な展開になったそうでー

「本当はバッグに慣れさせるつもりだったんですが、中に入ったので扉を閉めたら、逃げられることなく保護できたんです。そのまま会社へ連れて行きました」

診察室で大暴れ!思わぬハプニングと“ネット”の教訓

クロミ姫ちゃんは、飼い主さんには比較的心を許していましたが、他のスタッフなどには威嚇するほど警戒心が強かったそうです。

「保護して次の日、病院へ検査に連れて行ったんですが、キャリーバッグにはすんなり入ってくれたので安心していたら診察室で大暴れ。先生が捕まえようとしたとき、爪でひっかいてしまい、かなりの傷を負わせてしまいました」

この経験をきっかけに、病院へ行くときは必ずネットに入れるように対策したといいます。

「他の猫たちも、外出時はネットに入ってもらってからキャリーバッグで移動するようになりました。どんなにおとなしい猫でも、脱走のリスクなど不測の事態は起こります。ネットに入ってもらっていれば、すぐに捕まえることができると聞いてから、そうするようになりました」

甘えん坊で個性派なクロミ姫ちゃんの日常

現在1歳になったクロミ姫ちゃんは、ビビりだけれどとても甘えん坊。節分には「太巻きに見える」と言われる容姿も、魅力のひとつです。

「警戒心が強くて、好き嫌いもはっきりしています。好きなご飯はガツガツ食べますが、他の猫のおやつを奪うような食いしん坊な一面も。逆に食べたくないご飯のときは、ひっかく仕草をしながらお皿ごと棚から落としたうえに、トイレの砂もかけて“全否定”します(笑)。とても賢くて、ケージに入れられるとわかると、自分から飛び込んで待っていることもあります」

飼い主さんは、もともとは白猫派だったそうですが、クロミ姫ちゃんと暮らすうちに黒猫の魅力に惹かれていったそうです。

「クロミだからか、黒猫だからかはわかりませんが、警戒心は強いけれど『この人だ!』と思った相手にはデレデレに甘えます。そんなところに心を奪われて、黒猫好きになりました。もちろん猫はみんな大好きです」

また、クロミ姫ちゃんは「撫でて」「お尻トントンして」など、とてもアピール上手。飼い主さんをメロメロにしているようです。

「愛情を込めてよく撫でてあげると、被毛に色艶が出てきて、とてもきれいな毛並みになります。黒猫の毛並みは、とても美しく見えるんですよね」

一方、黒猫特有の“困りごと”もあるようで…

「黒猫なので、暗闇で探すのがとにかく大変(笑)。でも、その甘えっぷりを見ていると、あのとき保護して本当によかったと心から思えます」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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