「女性につきまとって暴行」 米海兵隊員の初公判で検察指摘 沖縄

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2025年06月02日 17:30  毎日新聞

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毎日新聞

ジャメル・クレイトン被告に対する初公判が開かれた那覇地裁の法廷=那覇市で2025年6月2日(代表撮影)

 沖縄本島中部で2024年5月、20代女性に性的暴行をしようとしてけがをさせたとして、不同意性交等致傷罪に問われた在沖縄米海兵隊上等兵のジャメル・クレイトン被告(22)は2日、那覇地裁(小畑和彦裁判長)での裁判員裁判の初公判で「疑われているようなことは一切していない」と無罪を主張した。


 起訴状によると、クレイトン被告は24年5月26日、女性に性的暴行を加えようと背後から首を絞めるなどし、抵抗した女性の目や口にけがをさせたとされる。


 検察側は冒頭陳述などで、沖縄市の路上で一人で歩いていた面識のない女性に声をかけ、拒絶しているにもかかわらずタクシーに同乗して女性の交際相手宅までつきまとい、玄関内で暴行したと指摘。タクシー降車後、女性は「一人で帰る」と伝えたにもかかわらず、クレイトン被告は「家まで送る」といって帰ろうとしなかったとした。


 女性が事件後にスマートフォンで「首絞められた」「なんかずっとついてきて」「殺されそうになった」などと友人に送ったメッセージや、女性の目の出血は強く首を絞められたことが原因とする医師の鑑定結果なども証拠として示した。


 弁護側は「無理やりわいせつな行為をしようとしたこともなければ、暴力行為も一切していない」と主張。冒頭陳述で、タクシーには女性の承諾を得て同乗して親しげに会話し、送り届けた後に「ハグをした」とし、「(事件現場には)ビデオ映像などの客観的な証拠はない」と訴えた。


 今後の公判は女性への証人尋問や被告人質問などを実施したうえで、9日に検察側の論告求刑や弁護側の最終弁論などがあり、24日に判決が言い渡される予定。


 沖縄県内では24年6月以降、米兵による性的暴行事件が相次いで明らかになり、この事件を含め4件が不同意性交等などの罪で起訴された。うち1件については、16歳未満の少女を誘拐し性的暴行をしたとして米空軍兵長の男性被告(25)に対し、那覇地裁で懲役5年の実刑判決が24年12月に言い渡され、被告は控訴している。【喜屋武真之介】



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