
「50代の夫婦です。この春、子どもが新社会人となり、家を出ていきました。二人だけの生活は穏やかですが、どこか寂しさを感じています。そんな折、知人から新しい家族に子猫を迎えてみないかと相談を持ち掛けられ、夫婦で話し合いをしています。猫を1匹飼うには、どのくらいの費用が必要でしょうか?また、初期費用だけではなく、月額にかかる費用も気になります」
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猫を1匹飼うためには、初期費用やランニングコストなど、さまざまな面で費用がかかります。
特に、保護猫譲渡・ブリーダー・ペットショップのどこから猫を迎え入れるかによって、初期費用は大きく変わります。新しい家族として1匹の猫をお迎えするために必要な費用を紹介します。
猫の迎え方による費用目安の違い
猫の迎え方は、一般的には保護猫譲渡・ブリーダー・ペットショップの3種類があります。
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保護猫の場合は、保護団体によって異なりますが、2万〜5万円ほどかかります。猫たちを殺処分から救い、動物保護活動に貢献することができます。
ブリーダーから購入する場合の費用は、5万〜30万円ほど。保護猫に比べて費用が高いことが多いですが、一緒に暮らす中で困ったことがあれば、その猫種のプロであるブリーダーに相談できることや、血統のはっきりした健康な猫を迎えることができるのが大きなメリットです。
ペットショップも、ブリーダーと同じく5万〜30万程度が相場です。
特に、ブリーダーやペットショップで購入する場合は、品種や出自により金額が大きく変わることがあり、さらに高くなることも珍しくありません。なお、いずれの場合も、購入費用とは別にワクチンや去勢手術費がかかる可能性があります。
猫を迎えるための準備に必要な金額の目安
猫を迎える際の準備として、ワクチン接種や検査などの費用と、食器やケージなど各種備品の費用がかかります。
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【ワクチンや手術】
猫風邪やクラミジア、猫白血病ウイルスなどの対策のため、ワクチンの接種が必要です。ワクチン代は、3,000〜1万円程度が目安で、種類によって幅があります。成猫でも接種が必要になる場合がありますので、必ず確認しましょう。
ワクチンは、初回だけでなく期間を空けて複数回接種することもあり、その都度費用がかかる点に注意しましょう。
オスの去勢手術費は5,000〜2万円ほど、メスの避妊手術は1万〜3万円ほどが目安で、検査代や麻酔代などが別途かかる場合もあります。
また、できる限り健康診断を受けるのが望ましく、費用目安は5,000〜1万5,000円程度です。
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これらの費用は、病院によっても異なり、あくまでも目安として考えておきましょう。
参考:公益社団法人日本獣医師会・家庭飼育動物(犬・猫)の 診療料金実態調査
【食器やケージなどの備品】
食器は、水飲みエサ入れあわせて数百円から数千円、トイレは据え置き型やバケツ型があり1,000円〜3,000円ほどが目安となるでしょう。
ケージ・ペットタワーはそれぞれ1万円程度が目安です。ケージは、部屋の掃除や就寝時などに猫の安全を守るためにも購入しておくとよいでしょう。
また、通院時や災害時に必要なキャリーバッグもそろえておきましょう。1,000〜5,000円ほどの価格帯のものが多いです。
猫を1匹飼育するための月額費用の目安
猫と一緒に生活をするうえで、フードや猫砂が必要です。また病院代がかかることもあります。それぞれの月額費用の目安をみてみましょう。
【フード・おやつ】
一般社団法人ペットフード協会が実施した調査によると、猫1匹の主食用フードの月額平均は3,238円、おやつは月額平均1,515円のようです。
フードやおやつは猫によって好みが異なることがあるので、いろいろな種類を試してみるのがおすすめです。また年齢によって食事内容を変えることもあるでしょう。
参考:一般社団法人ペットフード協会/猫 飼育・給餌実態と支出
【猫砂】
猫砂は600円〜2000円と、商品によって値段に幅があります。また、トイレのタイプや猫の排泄頻度などによって変動しますが、月あたり数千円程度を見込んでおくとよいでしょう。
【その他費用(病院代やおもちゃ代など)】
猫1匹を飼育するうえで、病院にかかることも少なくありません。日本獣医師会が実施した調査をもとにすると、初診料の目安は500〜3,000円ほど、再診料の目安は500〜2,000円ほどといえそうです。
ただし、料金は病院によって大きく異なり、 病気や症状によっても変動する点に注意が必要。ときには手術をすることもあり、貯金やペット保険などの備えをしておくのがよいでしょう。
ペット保険は、月額1,000〜8,000円程度が目安で、年齢が上がるごとに保険料も高くなる傾向があります。
また、おもちゃは数百円で買えるものも多く、猫の好みに合わせて検討しましょう。
参考:公益社団法人日本獣医師会・家庭飼育動物(犬・猫)の 診療料金実態調査
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ここまでの内容を踏まえると、猫を1匹飼うためには、まず迎え入れの費用として、変動はありますが2〜30万円ほど、これとは別に初期のワクチンや備品の費用として3〜7万円程度を見込んでおきましょう。
月額費用は、フード・おやつ、猫砂、おもちゃなどに加えて、病院代など突発的な出費を考慮すると、月々2〜3万円程度が目安です。
新しい家族とともに、豊かな生活が送れるとよいですね。
【監修】瀧澤亮(たきさわ・りょう)2級ファイナンシャル・プランニング技能士 Webライター・ディレクター。将来を見据え、保険や年金のことを詳しく知り活用したいとの思いからFP資格取得を決意。現在FP2級を取得し、上位級も勉強中。Webライター・ディレクターとして、お金に関する記事の執筆やディレクション・監修を担当している。
(まいどなニュース/もくもくライターズ)