◼︎5月27日付け週間漫画ランキング
1.岸辺露伴は動かない(3)/荒木飛呂彦/集英社
2.薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜(20)/日向夏・倉田三ノ路ほか/小学館
3.ブルーピリオド(17)/山口つばさ/講談社
4.ブルーロック ―EPISODE 凪―(7)/金城宗幸・三宮宏太ほか/講談社
5.こういうのがいい(10)/双龍/集英社
6.うるわしの宵の月(9)/やまもり三香/講談社
7.ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺がすべてを蹂躙するまで(12)/鵜吉しょう・篠崎芳ほか/オーバーラップ
8.東京卍リベンジャーズ〜場地圭介からの手紙〜(6)/和久井健・夏川口幸範/講談社
9.ダイヤのA act2 外伝 帝東VS鵜久森/寺嶋裕二/講談社
10.COSMOS(6)/田村隆平/小学館
参考:【写真】『岸辺露伴は動かない 懺悔室』ハマり役の俳優たち
5月27日付けの日販調べ週間漫画ランキングからは、荒木飛呂彦による『岸辺露伴は動かない』(集英社)をピックアップ。『ジョジョの奇妙な冒険』第4部に登場した漫画家の岸辺露伴を主人公にしたスピンオフ作品だ。
2020年から実写化ドラマ化され2024年には映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が公開。さらに2025年5月23日からは『岸辺露伴は動かない 懺悔室』が公開されている。
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実写では高橋一生が岸辺露伴を演じており、独特すぎる彼の世界観や言動、荒木ならではの通称”ジョジョ立ち”までを完璧に演じきっている。服装はというとパステルカラーを好んでいたアニメから一転し、黒を基調としたファッションが中心であり、ミステリアスさを感じるだろう。
ドラマや映画の効果もあって原作を手に取る人も増えた。本作1巻では公開中の映画原作の『懺悔室』ほか、露伴が取材地で体験した奇妙な出来事を描いた読切が5編収録された短編集となっており、少々クセのある荒木の描画に苦手意識を感じていたものもその世界観に引き込まれてしまうほど。
最新刊では、身近にも起きえることが、露伴にしか見えないのであろう視点から物事を捉え、奇妙を通り越してホラーを感じるほど。荒木飛呂彦、ひいては岸辺露伴が独特な世界観を生み出している。芸術と日常が交錯した本作は、ドラマや映画とともに楽しんでみてほしい。
2位は日向夏・倉田三ノ路らによる『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』20巻(小学館)。最新刊では、前作に続き子一族の叛逆ストーリーが描かれた。渦中の中心に居続ける猫猫は桜蘭からあることを託されていたーー。ここまでくると、敵にも味方からも頼りにされる猫猫は一体何者なのだろうかと考えさせられる。シリーズ累計4000万部を超える大ヒット作の最新刊は、たくさんの読者が書店に殺到したことだろう。
3位は山口つばさによる『ブルーピリオド』17巻(講談社)。「マンガ大賞2020」を受賞し、2021年にはTVアニメの放送、2024年には眞栄田郷敦を主演に実写映画化された、一枚の絵に魅せられた一人の不良少年の物語だ。主人公・矢口八虎が絵の道を歩み出すのは、自分の”好き”を周りに認められたところから始まる。「青く見える早朝の渋谷」この風景が八虎の原点であり、物語が進む上でも重要な鍵となる。人付き合いのための努力をし、上辺だけの感動、虚しさを感じながら生活していた彼が、たった一つのことにのめり込む姿から目を離せるわけがない。
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続いては、「付き合ってるからとか、相手の気持ちを考えなきゃとか、正直だるくない?」という現代人の不満を発散する、双龍による『こういうのがいい』10巻(集英社)が5位に。異性と真摯にお付き合いをしてきたが、価値観の違いから別れてしまいフリーになった二人の男女が織りなす、正直で気ままでフリーダムな日常を描いた作品だ。男女の友情? 体の関係? そんな括りすら必要ないほどゆるい彼らを見ていると、体の力が抜けて気持ちが楽になることだろう。
7位は、昨年アニメ化を果たした、鵜吉しょう・篠崎芳らによる『ハズレ枠の【状態異常スキル】で最強になった俺が全てを蹂躙するまで』12巻(オーバーラップ)。クラスごと異世界に召喚されたものの、期待ハズレのスキルだとして奈落に突き落とされた主人公・三森灯河は死の淵に立たされ、状態異常スキルを開花させる。不遇な元勇者が逆襲を誓い成り上がる。
10位は、『COSMOS』6巻(小学館)。「週刊少年ジャンプ」で『べるぜバブ』などを描いた田村隆平によるSFエイリアンドラマだ。「次にくるマンガ大賞2024」や、「マンガ大賞2025」にもランクインした注目作だ。人の嘘を見抜ける高校生・水森楓が、宇宙人を対象とした保険会社「COSMOS」のメンバー・穂村に出会ったことで新たな世界へ足を踏み入れることになる。時には激しいバトルが、時には胸が締め付けられるほどのドラマがやってくる、笑いあり、涙あり、ドキドキハラハラと感情が揺さぶられ続ける本作は、手に取らない理由が見つからない。
※参考:日販「週間ベストセラー」
(文=瀬川隆芽)
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