植田和男日銀総裁=5月1日、東京都中央区 植田和男日銀総裁は、3日の参院財政金融委員会で「将来の利下げ余地をつくるために、経済・物価情勢の改善が見込めない中で無理に政策金利を引き上げる考えはない」と述べた。今後の金融政策判断では、景気や物価の動向を慎重に見極める姿勢を示した。自民党の西田昌司氏への答弁。
植田氏は同委員会で、トランプ米政権の高関税政策の影響について「不確実性が極めて高い状況にある」との認識を改めて表明。一方、経済・物価が日銀の現行見通しに沿って推移していけば「経済・物価情勢の改善に応じ、引き続き政策金利を引き上げていく」と語り、利上げ路線は堅持する方針を強調した。