1週間で辞めた新入社員の退職理由にア然。「きちんと挨拶してほしい」と言ったら“パワハラ”扱いされて…

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2025年06月03日 16:20  日刊SPA!

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※写真はイメージです。
 新入社員が各部署に配属された頃だが、“職場に馴染めない”、“思っていた業務と違った”など、さまざまな理由で、すぐに辞めてしまう人もいる。 
◆誰よりも研修をがんばっていたのに…

 本谷尚美さん(仮名・40代)が旅行代理店に勤めていた頃、女性新入社員Aが入社した。「旅行関係の仕事に就くのが夢だった」というAは、新人研修に積極的に取り組み、先輩が行っている業務を真剣に見ていた。

 そのがんばりから、社内では早くも一目置かれる存在になっていた。

「でも、新人研修を経て1週間ほど経った頃、Aは体調不良で休むようになりました」

 本谷さんは、「研修に気合いが入りすぎて、疲れが出てしまったのかな?」と思っていたそうだ。しかし数日後、「残念ながら、Aは退職することになった」と上司から発表されたという。

「研修をがんばっていた姿を毎日見ていたので、とてもショックでしたね」

 Aが退職して1か月後、本谷さんは街で偶然、Aによく似た女性を見かけた。

「思わず二度見するほど似ていたので、タイミングを見計らって声をかけてみたんです。すると、まさかの本人でした」

 2人はランチをすることになり、Aの口から驚きの本音が語られることになった。

◆「会社のすべてがイヤで辞めました!」

 Aに退職理由を尋ねると、返ってきたのは衝撃の一言。

「会社のすべてがイヤで辞めました!」

 さらに、次々と不満があふれ出したようだ。

「お客様や同僚の悪口を聞くために入社したわけじゃない」
「研修と言いながら、ほぼ放置だった」
「私の話を聞いてくれない、そんな会社なんて思わなかった」

 面接で聞いていた“社内の雰囲気”と“実際の雰囲気”とのギャップがあまりにも大きく、その違和感が徐々に不満となり、退職を決意したという。

 とくに、毎日のように悪口を言って、ストレスを発散させる先輩たちを見て、「ここにいると、自分の夢が潰される」「仕事に失敗したら同じように言われるかもしれない、怖い」と感じたことが、決定的な退職理由になったそうだ。

「あの日から4年が経ちました。今、Aがどうしているのかはわかりません。でも、新しい場所で夢を追い続けていてくれたら……と願っています」

◆「挨拶してほしい」と伝えただけなのに…

 菅野悠馬さん(仮名・40代)が勤務する介護施設に、女性新入社員Bが入社した。Bは控えめで、目を合わせることも少ないタイプだったという。

「少し距離を感じましたが、新しい環境で緊張しているんだろうと思い、気にせず見守っていたんです。“挨拶の声が小さい”のも、慣れていないから当然だと思っていました」

 入社初日から3日間、先輩職員に同行して、施設の見学や利用者とのコミュニケーションなどを学ぶ研修が行われた。この間、とくに問題は見られなかったようだ。

 しかし4日目になると、Bの様子に明らかな変化があった。

「利用者や職員への挨拶がなく、こちらからBに声をかけても目を合わせないようになったんです。そこで私は、『きちんと挨拶してほしい』とやんわり伝えました。でも、Bからは返事はありませんでした」

 5日目は公休、そして6日目には無断で出勤せず、職場ではBの身を案じる声が上がるほどだった。

◆小さな声かけが大きなすれ違いに

「シフト上は出勤日になっていましたが、電話をしてもつながらず、職員みんなで心配していました。すると、7日目の朝、『辞めようと思います』とBから連絡があったんです」

 辞める理由は、菅野さんから「挨拶してほしい」と注意されたことがイヤだったから、というもの。Bの意志は固く、退職を受け入れることになった。

「驚いたのは、本社から私に“パワハラの可能性がある”として、“パワハラ研修”の受講を業務命令として告げられたことです。これは、とてもショックでしたね」

 “世代の違い”や“感覚のズレ”は、どこの職場にもあるが、たったひと言の声かけが、ここまで“大きなすれ違い”を生むとは思っていなかったと、菅野さんは吐露。

「新入社員が辞める理由はさまざまだと思います。でも、この経験を通して、“価値観は人によって違う”ということを、深く考えさせられました」

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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