夏のボーナスを預けよう！ 円普通預金の金利が高いネット銀行3選

　大手都市銀行・地方銀行などの銀行預金はかつて横並びの低金利でしたが、市場金利の変動を受け、2025年3月上旬には都市銀行でも年0.2％（税引前）まで上がりました。5月現在、インターネット銀行（ネット銀行）だと条件付きでさらに高金利です。

その他の画像はこちら　会社員・公務員として働く方は、年2回の6月と12月はボーナス支給月。そこで今回、夏の準備の一環として、円預金金利が高いネット銀行とその条件をまとめました。厳しい物価高を、高金利の円普通預金に預けるだけというライトな資産運用で乗り切りましょう。

●ネット銀行の金利は都市銀行の約2倍！

　ネット銀行とは、常設の対面窓口を持たず、無通帳のオンラインバンキングと付帯サービスのみ提供する金融機関と定義します。ただし、「JRE BANK」や「JAL NEOBANK」など、最近増えている、ネット銀行からシステムの提供を受けたデジタル金融サービスは本記事では対象外とします。

PayPay銀行

　PayPay銀行は、スマートフォン（スマホ）決済サービス「PayPay」と組み合わせて便利にお得に利用できるネット銀行です。

　24年12月からは、円預金・ドル預金の両方を預け入れると預金金利が年2.0％にアップする「預金革命」を開始。さらに25年3月17日から、円普通預金を預けるだけで金利が最大で年0.4％となる定常プログラム「ステップアップ円預金」を開始しました。

　外貨預金にはリスクがつきものなので「預金革命」の利用は見送り、円普通預金だけでいい手軽な「ステップアップ円預金」の利用がいいでしょう。29歳以下なら円預金100万円以上で、30歳以上は円預金200万円以上で業界標準の普通預金金利の約2倍となる年0.4％（税引前）の特別金利が適用されます。

　特別金利は毎日24時時点の最終残高をもとに集計した月中平均残高に応じ、30歳以上の場合、残高1円以上50万円未満0.2％、50万円以上200万円未満0.3％、200万円以上0.4％（いずれも年利・税引前）を適用するルールです。

　そのため、29歳以下の若年層や、PayPay銀行にすぐに移せる余剰資金が200万円以上ある30歳以上の方にはかなりお得なプログラムとなっています。

■ステップアップ円預金 最大金利の条件

・口座開設

・預金残高200万円以上（毎月1回判定）

※29歳以下は預金残高100万円以上

SBI新生銀行

　SBIグループ入りとともに商号変更したSBI新生銀行の「パワーフレックス円普通預金」は、個人向け優遇プログラム「ステップアッププログラム」の最上位ステージ「ダイヤモンドステージ」の場合、金利が年0.40％（税引後年0.3187％）にアップします。

　「ダイヤモンドステージ」のステージ条件はかつては達成が難しい条件ばかりでしたが、現在は、SBI証券の口座を開設して口座振替契約を結ぶだけで適用され、ハードルはかなり下がりました。さらに満28歳以下ならもれなく「ダイヤモンドステージ」が適用されます。

　よって、新規に証券会社の口座を開設する手間を惜しまない人なら、ステージに応じて最大年0.4％（税引前）のSBI新生銀行は金利面でお得といえます。

■パワーフレックス円普通預金 最大金利の条件

・口座開設

・ダイヤモンドステージ（SBI証券口座開設・口座振替契約など）

auじぶん銀行

　auじぶん銀行は、以前は三菱UFJ銀行とauフィナンシャルホールディングスの共同出資でしたが、現在はauフィナンシャルホールディングスの100％子会社です。

　auの各サービスとセットで使うとお得になり、「auまとめて金利優遇」と「auマネ活プラン金利優遇」の優遇をすべて適用すると通常年0.21％（税引前）の円普通預金の金利は、最大年0.51％（税引前）にアップします。

　合計＋0.1％上乗せとなる「auマネ活プラン金利優遇」の条件「auマネ活プラン（auマネ活プラン／auマネ活プラン＋／auマネ活バリューリンクプラン）加入」と「au PAY ゴールドカード加入・利用」を満たせるなら、auじぶん銀行は今回取り上げたネット銀行でもっともお得です。

■最大金利の条件

・auマネ活プラン（auの対象料金プラン）加入

・au PAY ゴールドカード入会・利用

・au PAY カード 口座からの引き落とし

・au PAY 口座連携

・auマネーコネクト設定（三菱UFJ eスマート証券との連携）

●他行からのメインバンク切り替えを目指す金利優遇

　さて、ここまで紹介してきて、金利優遇の条件となる預金残高や獲得利息シミュレーションの金額例が意外に高いと感じた方は多いのではないでしょうか。

　預け入れ金額については、大きな数字で試算しないとお得感が伝わらないからだと考えられます。一方、利息シミュレーションについては、100万円単位の余剰資金を保有している層をターゲットとしているからでしょう。

　円普通預金の高金利は、「ゼロ金利解除・金利のある時代の到来」を受けた、顧客獲得・囲い込み手段です。そのため、他行より高い預金金利の設定は短期間で終わる可能性がありますが、少なくとも今年の夏は、使い道の定まっていない余剰資金を預け替えるだけで利息がより多くつくボーナスステージといえるでしょう。