
大相撲で史上最多45回の優勝を誇る元横綱白鵬・宮城野親方の退職届が提出され、相撲ファンの間で衝撃が走っている。昨年2月に発覚した元幕内・北青鵬の暴力問題が発端で部屋が閉鎖となり、弟子とともに伊勢ケ濱部屋に移籍していたが1年を経過しても部屋再開の見通しが立たない状況下で協会からの決別を決意したとされるが─。
元横綱白鵬・宮城野親方が退職
協会側は当初退職届の受け取りを保留扱いとしていたが、最終的に9日付で受理することを発表した。宮城野親方の弟子たちは当面、伊勢ケ濱部屋に所属することになる。
この退職を受けてスー女(相撲好き女子)タレントの山根千佳は「大横綱ばっかり相撲界を去る。辞めないでくださいよ…悲しい…。」などXに投稿し、芸能関係者からも悲しみの声が相次いでいる。
そんな声が集まるなか注目されているのが、宮城野親方への厳格な処分と他の親方への甘い処分との格差である。
《春日野部屋は2度も傷害事件あったのに1度目は厳重注意。かたや白鵬の部屋の閉鎖はおかしい》
|
|
《知名度も人気もある人を放出する相撲協会のガバガバナンスぶりはいつ見ても異常》
《白鵬杯を開催して相撲を盛り上げてくれたのに相撲協会の白鵬いじめが酷すぎ》
など、暴行事件の隠蔽疑惑のある春日野親方や陸奥親方との処遇差への声が相次いでいる。
その他親方の暴行隠蔽疑惑に不祥事
「昨年、春日野部屋に所属していた元十両力士が兄弟子に暴力を奮い、それを春日野親方が隠蔽した疑惑がありました。当時協会は『隠蔽はないと』回答していたそうですが、協会ぐるみで隠蔽を図ろうとしていたとの推測も広がっていました。また、'23年、元大関霧島の陸奥部屋で幕下以下の力士が弟弟子に対して暴力が奮われるも、陸奥親方はこの隠蔽を否定し、最終的に処分は極めて軽い報酬減額にとどまったのです」(スポーツ紙ライター)
弟子の暴力問題は深刻で、監督責任を問われるのは当然だが、問題は処分の一貫性と公平性にある。時事通信の報道によると元横綱白鵬・宮城野親方は「協会は俺を辞めさせたいんでしょ」と漏らしており、部屋再開のめどが立たないことや力士養成費の未支給、後援者離れなどの背景もあり、本人の退職決意が揺らぐことはなかったとされる。
|
|
退職後は伝統的な大相撲とは異なる「SUMO」のプロリーグ運営に携わる予定とされており、白鵬の新たな挑戦への注目も集まっているが《協会の体質が変わらない限り、第二第三の宮城野親方が出てくる》《二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は厳重注意のみだったのに》など相撲界の「二重基準」とも言える構造を鋭く突く声も。
元大横綱の決断で相撲協会がこの問題にどう向き合い、どのような改革を進めるのか、相撲ファンのみならず日本の国技としての在り方が問われている──。