再審制度の改正を訴える集会で発言する袴田巌さんの姉ひで子さん=3日午後、東京・霞が関 有罪が確定した刑事裁判をやり直す再審制度について、日弁連は3日、東京都内で改正実現を求める集会を開いた。静岡一家4人殺害事件で死刑が確定し、再審無罪となった袴田巌さん(89)の姉ひで子さん(92)は「超党派議連の皆さまには、ぜひ今国会で改正法案を通してほしい」と訴えた。
ひで子さんは、袴田さんが逮捕から58年を経て無罪となったことに触れ、「奇跡のようだった」と強調。「47年7カ月拘置所にいた巌の苦労を法律に反映してもらいたい」と求めた。
超党派の議員連盟は証拠開示の規定や、再審開始決定に対する検察の不服申し立て禁止などを柱とする改正案の今国会提出を目指している。
袴田さんの再審開始を決定した元判事の村山浩昭弁護士も登壇し、「(裁判官次第で)たまたま証拠が開示されると再審の道が開ける。偶然でしか救済されない制度をやめるという意味で大きな一歩になる」と力を込めた。
再審を巡っては、これまで法改正に消極的だった法務省も法制審議会に諮問し議論を始めている。