
できる人に仕事が集中するのはよくある事だが、「社員だから」と何でもかんでも押し付けられてはたまったものではない。
オフィスのトラブルサポートを行うコールセンターで10年以上オペレーターを務める40代男性から、そんなやるせない思いが寄せられた。男性は数少ない正社員だというが
「お客様から『わかる人に代わって!』と言われた時の“わかる人”として対応したり、苦手な事はすぐ投げるオペレータが投げた案件や、『この人にはスキル的に難しい』とSV(スーパーバイザー)が判断した案件をよく回されます」
つまりベテランとして他のオペレーターが対応できない案件を任されることが多いのだ。あるとき、こんな理不尽なことがあった。(文:篠原みつき)
ルール違反の時間指定、板挟みになる正社員
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ある日、過去に男性が対応した顧客から問い合わせがあり、別の派遣オペレーターが対応したもののスキル不足で難しく、「わかる人に代わってほしい!」「できれば前回の人(=男性)にお願いしたい」と時間指定までされる事態になった。
通常「オペレータを指名して時間指定」はルール違反だが、派遣に甘いSV(スーパーバイザー)である上司はこれを許可。男性が対応する羽目になった。
しかし、別の案件対応が長引いてしまった男性。約束の時間が迫る中、上司が電話を保留にするようジェスチャーで示してきた。男性は電話をいったん保留にし、こう伝えた。
「今対応している案件はまだ時間がかかるため時間指定の案件が出来ない」
「今対応している案件をいったん中断の上、別のオペレータにお願いするか、時間指定の案件を別のオペレータにお願いしたい」
自分は出来ないから他の人にどちらかを振ってほしいと頼んだのだ。だが上司の返答は、
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「他に対応できる人が居ないから両方とも難しい。申し訳ないが今の案件の時間がかかるならいったん中断して時間指定のお客様に一報入れて日程を変更して貰う様お願いして」
というものだった。一報を入れるだけなら誰でも出来るはずだが、それすらも代わってくれることはなかったのだ。
「社員なんだから最後まで責任もて」と無茶な言い分
しかし、男性によればその案件は両方とも「私でなければできない内容ではない」、しかも「待ち受け状態のオペレータが沢山いる」という状況だった。納得いかない男性は、それらを理由に改めてどちらかの案件を他のオペレーターにお願いできないか伝えた。しかし上司は、
「時間指定の案件は前回あなたが対応しているのできちんと責任を持って対応してほしい」
「現在進行中の案件も今、対応できるオペレータがいない、あなたは派遣ではなく社員なんだから最後まできちんと対応してほしい」
と、取り合わない。男性は「なら時間指定の案件のお客様へ私は別のお客様の対応が長引いて出来ないと連絡してほしい、ルールをまげて時間指定までしたんだから当然ですよね?」と迫ったが、これも断られたという。
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「両方ともボイコットしてやろうかと思いましたが、そこはグッと堪え時間指定のお客様にお詫びの電話を入れ別の時間に変えてもらい、改めて続きの案件を対応しました」
なんとか大人の対応で乗り切った男性だが、理不尽な思いはくすぶったままだろう。
これ以外にも、派遣オペレーターが顧客を怒らせ「上の者を出せ」となった際に、現場責任者であるSVではなく、社員であるという理由だけで責任者として対応させられることもあるそうだ。男性は
「まさに“それっておかしくない?”と思います」
と切実な思いを書いていた。
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