「違法と知らず1万円だけ」オンラインカジノで遊んだ会社員→上司にバレて…処分はどうなる?【社労士が解説】

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2025年06月04日 07:30  まいどなニュース

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気まぐれで少し遊んだオンラインカジノでクビになるの? ※画像はイメージです(beeboys/stock.adobe.com)

真面目さが取り柄の会社員Aさんは、日々の業務に追われ大きな目標もなく淡々と毎日を過ごしていました。そんなある日、インターネット広告で目にしたオンラインカジノの煌びやかな世界にほんの少しだけ心が動いてしまいます。

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Aさんはほんの遊びのつもりで、海外のオンラインカジノサイトに登録してしまい、小遣いの範囲内である1万円を課金してしまいます。ところがスロットで何度か遊んだところ、あっという間にお金はなくなってしまいました。自分には全く向いていないと痛感したAさんは、すぐにアカウントを削除し、二度とアクセスしないと心に誓いました。

それから数週間が経った頃、Aさんがオンラインカジノで遊んだという事実が会社に伝わってしまいました。どうやら昼休憩中に遊んでいるところを誰かに見られてしまい、調査することになったようです。部長室に呼び出されたAさんを待っていたのは、普段は温和な上司の見たこともないほど険しい表情でした。

上司がAさんを問い詰めたところ、正直に1万円だけ遊んでしまったこと、すぐに後悔して退会したことを話しました。日本の法律で禁止されている違法な行為であるとは、全く知らなかったと弁明したのです。

しかしAさんは会社のコンプライアンス規定に違反する重大な問題行為であると断じられ「見過ごすことはできない」と上司から言葉をかけられます。その後の調査結果次第ではあるものの、解雇になるかもしれないと伝えられたのです。

自分のおこないが招いた結果とはいえ、この処分は本当に妥当なのでしょうか。社会保険労務士法人こころ社労士事務所の香川昌彦さんに聞きました。

ーオンラインカジノの利用が知られたら解雇されますか?

必ずしもすぐに解雇されるとは限りません。解雇が妥当かどうかは、いくつかの要素を考慮して判断されます。会社の就業規則に「会社の信頼を著しく損なう行為」を犯した社員を解雇する旨が書かれている場合が多いものの、Aさんのケースはこの行為にあたると断言するのは困難でしょう。

いきなり解雇というのは「やりすぎ」と判断される可能性が高く、一般的には厳重注意や訓告、あるいは減給や降格といった処分に留まると考えます。

ー解雇されうるとするとどのような条件でしょうか

常習的に利用していたり、オンラインカジノが原因で借金をしたり、同僚や取引先からお金を借りたりするなど悪質性が高いと判断され解雇を含む重い処分が下される場合があります。また、会社の事業内容によっても判断が異なります。法律遵守が特に厳しく求められる業種では厳しい目が向けられる可能性もあります。

ー解雇を言い渡された場合はどうしたらいいでしょうか

Aさんが解雇を言い渡された場合、処分が重すぎると判断される可能性もあります。何らかの懲戒処分は避けられないものの、職を奪うほどの行為かというと断言は難しいです。納得できない場合は、弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。

◆香川昌彦(かがわ・まさひこ)社会保険労務士 大阪府茨木市を拠点に「良い職場環境作りの専門家」として活動。ラーメン愛好家としても知られ、「#ラーメン社労士」での投稿が人気。

(まいどなニュース特約・長澤 芳子)

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