
みなさんは、お子さんやお孫さんに将来どのような職業についてほしいと考えていますか。全国の父母および祖父母を対象に「子や孫に望む勤め先」について調査したところ、最も多かったのは「地方公務員」で、次いで「国家公務員」という結果になりました。
この調査は、企業の与信管理サービスを提供するリスクモンスター株式会社が2025年2月に実施したもので、全国の父母および祖父母(20〜69歳の男女)800人を対象に、インターネット上で行われました。
調査の結果、子や孫に期待する勤め先の1位は地方公務員(回答率14.4%)、2位が国家公務員と公務員(13.4%)と公務員が上位を占めました。次いで3位がトヨタ自動車(9.9%)、4位がパナソニック(5.8%)、5位が任天堂(5.4%)と続きます。
トップ20を業種別に見ると、製造業が10社(トヨタ自動車、パナソニック、任天堂、ソニー、Apple、キーエンス、日立製作所、味の素、サントリー、資生堂)となり、総合商社3社(三菱商事、伊藤忠商事、住友商事)もランクインしています。
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前回(2024年)の調査結果と比較したところ、1位と2位が入れ替わっているものの公務員の人気が根強く、3位のトヨタ自動車は初回調査から民間企業における1位を維持しています。
また、子や孫に勤めてほしい業種については、1位「専門サービス」(12.0%)、2位「医療」(11.5%)、3位「通信・情報(IT)」(10.5%)の順となりました。上位3業種は前回調査でもトップ3と、安定した人気がうかがえます。
子と孫別に勤めてほしい企業について集計したところ、いずれも公務員がトップ2となり、トップ20のうち11社が共通してランクイン。製造業(トヨタ自動車、パナソニック、キーエンス)や航空運輸・鉄道業(ANA、JR東日本、JAL)、総合商社(三菱商事、伊藤忠商事)といった業種が子と孫どちらに対しても人気が高いようです。
子と孫の男女別に期待する勤め先では、男女ともに公務員がトップ2、トヨタ自動車が3位となり、トップ20のうち11社が男女共通してランクインする形に。
その他に、男女ともに製造業が多数ランクインしている点や、女子の子や孫に期待する勤め先において、航空会社やアミューズメント企業が含まれている点が特徴といえます。
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子や孫に期待する勤め先で重視するイメージでは、1位「経営が安定している」(46.8%)、2位「やりがいがある」(42.0%)、3位「過重労働・ハラスメントがない」(41.6%)の順に。1位については子と孫、男女を問わず高い回答率を得ており、子や孫の勤め先に対しては事業の安定性に一番の関心が集まっています。
子と孫それぞれの男女に期待する勤め先において重視するイメージトップ8(提供画像)
また、子や孫に期待する働き方を調査したところ、1位「趣味・特技を生かした活躍」(44.9%)、2位「グローバル展開する企業での活躍」(30.4%)、3位「業歴の長い企業で企業の歴史を学んでほしい」(30.0%)となり、1位については子と孫別、男女別ともに突出した回答率に。低順位の「新進気鋭のベンチャー企業で活躍」(6.6%)、「企業に属せずフリーランスとして自由に勤務」(6.5%)は、フリーランスやベンチャー企業への不安定なイメージから敬遠されたと考えられます。
子や孫に稼いでほしい最低年収においては、「年収は気にしない」(29.5%)が約3割を占める反面、「500万円以上」(15.9%)、「600万円以上」(15.5%)など、全体の57.9%が民間企業の平均年収460万円(2023年版「民間給与実態統計調査」)を超える額を求めていることが判明。この結果は2024年3月に就職活動生向けに実施した「第10回就職したい企業・業種ランキング」(就活生ランキング)とも共通しており、父母や祖父母、本人ともに人並み以上の生活水準を望んでいる様子が浮き彫りとなりました。
最後に、父母・祖父母自身が勤務していた業種に子や孫にも勤めてほしいかを聞いたところ、約6人に1人(16.4%)が同業種への就職を希望していることが分かりました。同業種への就職希望が強いものとしては「通信・情報(IT)」(43.5%)、「専門サービス」(30.6%)、「医療」(26.7%)、「機械」(23.1%)、「商社・卸売」(19.2%)の順で、いずれも勤めてほしい業種のトップ5と合致している点から、父母・祖父母の就業経験を踏まえたうえで高順位となっている背景がうかがえます。
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【出典】
リスモン調べ/「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査