ano主題歌で注目『タコピーの原罪』は絶望的な世界観をどう表現する? ハイクオリティなアニメに期待

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2025年06月04日 08:00  リアルサウンド

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『タコピーの原罪』アニメ公式 X(@takopi_pr)より

 「少年ジャンプ+」で連載開始後、瞬く間に拡散され世間の話題をさらった『タコピーの原罪』(タイザン5/集英社)。上下巻完結ながら累計発行部数145万部を誇る本作、満を持してのアニメ化が先日発表された。2025年6月28日0時よりNetflix、Amazon Prime Video、ABEMA、U-NEXT他各配信プラットフォームにて配信される。


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 突然ドクダミを口の中に押し込まれたような衝撃的な第1話が読者にセンセーショナルな印象をもたらし、連載当時は最新話が更新される度にXのトレンドに上り、最終話は1日で350万閲覧という異例のヒットとなった。本作の持つ魅力を改めて振り返りつつ、アニメ化への高まる期待感についても触れていきたい。


◼︎宇宙にハッピーを広める為にやってきた宇宙人、その名はタコピー


 本作は宇宙にハッピーを広める為に故郷のハッピー星に別れを告げて地球に降り立った宇宙人「タコピー」が小学4年生の女の子、久世しずか(くぜしずか)と出会うことから始まる。空腹のタコピーにパンを与えてくれたしずかへのお礼の為に、空を自由に飛ぶことのできる「パタパタつばさ」など、様々なハッピー道具を使って楽しんでもらおうとするタコピー。


 普通の小学生なら目を輝かせて遊びたくなることだろう。しかし、しずかは「私はいいや」「空なんて飛べたってどうせ何も変わらない」と冷めた態度でハッピー道具には目もくれず、ボロボロの、心ない言葉が刻まれた、まるで今のしずかの心情を体現しているかのようなランドセルを抱えながらその場を後にする。


 タコピーは、ハッピー思考が過ぎるが故にしずかが置かれている状況を理解できないまま、やがて大きな事件に巻き込まれてしまう。


 複雑に絡み合う人間関係と、田舎の小学校ならではの閉塞感が生み出す息苦しさ。そしてタイトルにもある「原罪」というテーマ。人間の業の深さを否が応にも味あわされる苦しさ。絶望の中でわずかな救いを求めてページを読み進める中で、タコピーがもたらしてくれた「ハッピーな結末」とはどのようなものだったのか。ぜひとも本作を手にとって感じ取っていただきたいところだ。


◼︎原作の雰囲気が忠実に再現されたハイクオリティな世界観に注目


 全6話で配信されることが決定しているアニメ。監督はアニメ『Dr.STONE』でも監督を務めた(第2期まで)飯野慎也。気になる声優陣には、タコピー役に『とっとこハム太郎』のハム太郎役で知られる間宮くるみ、久世しずか役には『アオのハコ』のヒロイン、鹿野千夏役でお馴染みの上田麗奈、久世しずかを苛めるグループのボス的存在、雲母坂まりな(きららざかまりな)役には小原好美がそれぞれ担当することが発表されている。


 また、アニメOPテーマはanoによる「ハッピーラッキーチャッピー」、EDテーマはTele「がらすの線」となることが発表されている。『タコピーの原罪』からインスパイアを受けた2人の人気アーティストが紡ぎ出す音が作品世界にもたらす影響力は計り知れないだろう。PVでは一足早くそれぞれの楽曲の一部を堪能することができる為、ぜひともチェックしておきたい。


 原作がもたらす不気味さが忠実に再現されていることがPVからも感じ取れるアニメ『タコピーの原罪』。原作連載時に想像をより上回る絶望感に突き落とされながら感情を振り回されていた方にも、アニメで初めてハッピー星人と邂逅するアナタにも特別な6週間になることは疑いようが無いだろう。本当の幸せとは何か? 人類が永遠に抱え続けるテーマに思いを巡らせながら、ハッピーアワーを満喫してほしい。


(文=もり氏)



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