

義母は私にひどいことを言われたと、被害者ぶって泣きついたようです。トモヒトは「悪気はないんだよ」「仲良くやってよ」といった調子。どうして私ばっかり嫌な思いをしなきゃいけないの? 怒りがフツフツと湧きあがるのを感じます。


気を遣って仲良くしろなんて都合が良すぎるし、ハッキリ言ってもう限界です。トモヒトは少しオロオロし始めましたが、私は黙るつもりはありません。「とにかくもうお義母さんの話はおしまい。もう考えたくもない。いい加減にして」

私に反撃され、言い返せなくなって帰っていった義母。よっぽど悔しかったのでしょう。すぐトモヒトに「ひどいことを言われた」と泣きついたようです。けれど私は、義母がしてきたのと同じようによその義母を褒めちぎっただけです。
トモヒトは結局、「悪気はない」という言葉で穏便に済ませたいだけなのでしょう。私が義母の発言にどれだけ傷ついたか、カノンが義母にどれだけ失礼な扱いを受けているか……。何もわかっていないのです。私はもう二度と義母とは関わりたくないとトモヒトに告げ、この話を終えたのでした。
【第5話】へ続く。
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