記者会見で謝罪するNST新潟総合テレビの酒井昌彦社長=4日午前、新潟市 フジテレビ系列の「NST新潟総合テレビ」(新潟市)が税務調査で約11億円の所得隠しを指摘された問題で、同社の酒井昌彦社長らが4日、同市内で記者会見した。酒井社長は指摘を受けたことを謝罪した上で、問題となった架空のCM制作費などの大部分が制作会社から元社員の親族名義の会社に流れていたと説明。「元社員が一個人として、接待などをしていた可能性はある」と述べた。組織的な所得隠しは改めて否定した。
同社によると、昨年8月から行われた関東信越国税局の税務調査で、都内の複数の制作会社に架空のCM制作費を支払うなどしていたことが判明。同年3月期までの6年間で約11億円の所得隠しを指摘され、重加算税を含め7億円余りを納めた。
制作会社へ支払った費用のほとんどは、営業職の元社員の男性の親族名義の会社に流れていた。元社員は社内調査に「飲食費や接待費に使った」と話したという。
現在、元社員側と話し合いを続けており、酒井社長は「訴訟も含めてさまざまなことを検討している」と述べた。