
くったくのない笑顔で人間を見つめる穏やかな性格のボーダーコリーの楓汰くん。推定年齢5歳ほどのオス犬で、これといった問題行動をすることはないものの、過去に2度飼い主が変わるという悲しい過去を経験したワンコです。
楓汰くんの最初の飼い主は、ペットショップで楓汰くんを迎えましたが、満足なお世話をせぬまま、飼育放棄。ジモティーを介して2人目の飼い主に譲渡しました。
2人目の飼い主は独り暮らしの女性で、猫3匹と一緒に生活していましたが、大けがで入退することとなり楓汰くんのお世話が困難に。そこでその知人が一時的に預かることになり、9カ月間一緒に暮らしてきました。
正式には2度飼い主が変わったことになりますが、後の心ある預かりさんも楓汰くんにとっては「飼い主」として映ると考えれば、この5年間で3度も飼い主が変わったといえるでしょう。
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不安定な生活をしてきた分、1日も早く安心できる環境を
人間の身勝手で振り回されてきた楓汰くんですが、預かりさんの家での飼育スペースが限られていることもあり、ここで「本当の家族」探しをスタートさせることになりました。
楓汰くんの里親さん探しは、静岡県の保護団体・アニマルフォスターペアレンツも協力。これまで。不安定な生活を送り続けてきた分、1日も早く楓汰くんが安心して過ごせる「ずっとのお家」を見つけてあげられるよう尽力しました。
自分もみんなも幸せにした楓汰くん
そして、程なくして楓汰くんのこれまでの経緯を知った方から「うちにおいで」の声がかかりました。楓汰くんと同じサイズの先住犬を飼っている優しい方からの申し出で、まさに楓汰くんにピッタリの里親希望者さんでした。
前述の通り、問題行動ゼロの楓汰くんは、この家でのトライアルでもすぐに環境に馴染んで正式譲渡。長い道のりではありましたが、「本当の家族」とここで結ばれることとなりました。
その後の楓汰くんは、過去の境遇を忘れるほど、いつもニコニコ元気に暮らし、そして先住犬も楓汰くんというかけがえのないきょうだいが来てくれたことで、笑顔を浮かべる時間が増えたそうです。自分もみんなも幸せにした楓汰くん。その本当の犬生は始まったばかりです。
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(まいどなニュース特約・松田 義人)