フジ株主の旧経営陣への233億円訴訟の第1回口頭弁論 中居氏や「B氏」らの出廷求める意向も

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2025年06月05日 14:32  日刊スポーツ

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日枝久氏(23年)

中居正広氏と元社員の女性アナウンサーをめぐる一連の問題を受けて、フジテレビの親会社、フジ・メディア・ホールディングス(FMH)の個人株主が日枝久氏ら旧経営陣に233億円の賠償を求める株主代表訴訟を東京地裁に起こした第1回口頭弁論が5日、都内で行われた。


原告側は提起人の下野創氏本人や代理人らも出廷したが、フジ側の出席者はなし。意見陳述などを行い、約7分で終了した。次回期日は未定で、弁論準備手続きとしてオンラインで行われる見込み。


意見陳述で下野氏は昨年12月に週刊誌で問題が報じられた当時のフジテレビの対応などを非難。「トラブルに自社の社員は関わってないとのみ発表し、会社として、そのトラブルがどんなものかについては、一切明らかにしてきませんでした」といい、今年1月17日に当時の港浩一社長が同件などについて対応した記者会見についても「やり方および内容に驚いた次第です。記者会見のやり方はフジテレビジョンがテレビ局なのに、テレビカメラによる撮影を禁止し、記者会見の対象者も一部のメディアに限るものであり、テレビ局の持つ公共性に十分配慮したものとは言えないものでした。そして記者会見では、なんと約1年半も前から港社長はそのトラブルについて知っていた、ということを明らかにしました。そんなに長い間、知っておきながら中居正広氏を自社の番組で起用し続け、出演料を支払い続けたという点にはあきれるしかありませんでした」と語った。


トラブル把握後も中居氏の起用を続けた点についても疑問を投げかけ「トラブル発生後も中居氏が司会をつとめていた番組は継続し、中居氏も出演し続けましたが、フジテレビはスポンサーをだまし、視聴者をだましていたわけです。なぜなら、その事件について知っていれば、スポンサーは撤退していたでしょうし、視聴者の多くも番組を見なかったことでしょう」と語気を強めた。


またフジ側の元社員の女性アナウンサーへの対応についても「女性社員に対しての安全配慮義務を欠いていたことは、第三者委員会による調査報告書からも明らか」とし「被害を受けたという女性社員に、どんな対処をしてほしいのかなど聞くことはたやすいことだと思うのに、女性社員を絶望させるような対処ばかりしてきたことも、おかしなことです。港社長の記者会見からは、フジテレビは隠蔽(いんぺい)体質があり、社員を守らない体質があると思われても仕方ないことが伺えました」と語った。


最後に「いずれにしても、企業の体質が変わるのにはある程度、時間がかかるようです。CMを控えている企業が安心して、再びCMを提供できるようになるのはいつになることでしょう。この代表訴訟を通じて、旧体制を一掃し、フジテレビがスポンサーおよび視聴者などから信頼される会社に1日でも早くなることを願っています」と締め、今後の展開次第では、裁判に中居氏や調査報告書に記載されていたフジ社員のB氏の出廷を求める意向も明かした。


下野氏は中居氏と女性のトラブルを知りながら適切に対応せずに会社に損害を与えたとして、当時取締役だったフジの港浩一前社長ら旧経営陣や、日枝久取締役・相談役など15人に233億円の賠償を求めている。FMHに港前社長らに賠償を求める訴えを起こすよう求めたが、訴えを起こさない旨の回答があり、株主代表訴訟に踏み切ったという。

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