芥川賞作家、アウティング被害で提訴=李琴峰さん、市議の投稿巡り―東京地裁

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2025年06月05日 18:31  時事通信社

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時事通信社

記者会見する台湾出身の芥川賞作家、李琴峰さん=5日午後、東京都千代田区
 出生時の性別と性自認が異なる「トランスジェンダー」だと暴露される「アウティング」の被害を受けたとして、台湾出身の芥川賞作家、李琴峰さんが5日、村松裕美甲府市議に500万円の損害賠償とSNS投稿の削除を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 李さんはプライバシー権の侵害や名誉毀損(きそん)などを主張している。

 原告側によると、村松市議は昨年5月下旬、李さんについて「身体が男性」などとSNSに投稿。李さんが警察に相談後に削除されたが、今度は別の人物の投稿を貼り付ける形で、李さんが性別変更前の未成年時の写真などが公開された。この投稿は5日時点でも削除されていないという。

 李さんは東京都内で記者会見し、提訴について「自分を守る行動を取らざるを得なかった。私自身や日本の性的少数者の基本的人権を守ることにつながる」と訴えた。李さんは市議と面識がないという。

 李さんは2021年に「彼岸花が咲く島」で芥川賞を受賞。その後、インターネット上で性別などに関して不特定多数から誹謗(ひぼう)中傷を受けたとして、24年11月、トランスジェンダーであることを公表していた。

 村松市議は「最初の投稿は既に削除し、その後の投稿も適切に対応した。訴状が届いてから名誉毀損に当たるのか弁護士と相談したい」とコメントした。 
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