宇宙ベンチャーのispace(東京都中央区)は6月6日の午前4時17分、月着陸船「RESILIENCE(レジリエンス)ランダー」の月面着陸を試みた。この模様はYouTubeで生配信され、深夜にもかかわらず一時1万7000人以上が見守った。しかし着陸予定時刻から数分が経過してもランダーとの通信が確立できず、そのまま午前4時半すぎに生中継を終えた。
レジリエンスは午前3時25分ごろ、月の周回軌道から離脱するための軌道制御マヌーバを実施。東京・日本橋にあるHAKUTO-Rミッションコントロールセンター(管制室、MCC)で確認した。
午前4時4分ごろには「ブレイキングバーン」と呼ばれる減速を開始。着陸地点の30〜40km手前だった。その後の十数分は「全て順調」としていた。
うまくいけば4時17分ごろに月面に着陸し、MCCとの通信を確立する予定だった。しかし通信は確立できず、4時34分ごろに「現時点で通信が確立できていない」というアナウンスと共に中継をいったん終了した。午前9時に予定されているメディア向け発表会で結果を報告する見込みだ。
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レジリエンスという名前は「再起」を意味する。同社は2023年4月、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」のミッション1として月面への着陸を試みたものの、予定時刻を過ぎても着陸が確認できず断念。月着陸機は高度認識システムの不具合により、高さ約5kmから墜落したとみられている。
iSpaceの袴田武史CEOは、レジリエンスの着陸直前に中継に登場し「iSpaceはエンジニアを中心にミッション1で学んだことをミッション2に生かしてきた。エンジニアはやりきってくれた。自信を持って着陸の瞬間を迎えたい」としていた。
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