


俺は新しい部品を持ってくることを伝え、翌日の約束を取り付けて帰社した。早上がりをしてスーパーに寄り、夕飯のメニューを考えながら買い物をする。そんないつもの日常がこれからも続くはずだった。しかしその頃、取引先では……。




そして翌日。俺が取引先に到着すると、片手に杖をついた女性が応対してくれた。どうやら昨日約束した担当者は急な外出が入って不在らしい。「私が対応させていただきます」と言われ、笑顔で「よろしくお願いします」と挨拶を返す。


彼女の首から下にかけての傷痕を見てハッとした。血の気が引くとはこのことなのだろう。まさか「羽田キホ」さんとこんなところで再会するなんて思ってもいなかった。
羽田キホさんはあの日の事故のせいで通常の歩行が困難になり、首から下の傷が痕になって残ってしまったのだった。痛々しいその姿を見て、俺は再び大きな罪悪感に襲われた。こんなことになったのは俺のせいなんだ……。
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【第5話】へ続く。
原案・ママスタ 脚本・渡辺多絵 作画・猫田カヨ 編集・井伊テレ子