ロッテ・唐川 (C)Kyodo News 「呼ばれたからにはチームに貢献できるようにというのは思います。また違った形ですけど、貢献できたらなと思います」。
ロッテ・唐川侑己は予告先発となっていた5月6日の楽天戦が雨天中止のため、登板が叶わず、その後もファームで登板を続けていたが、6月4日に今季初昇格を果たした。
唐川は開幕から「実戦入ってきた中でそこの感覚だけは実戦の中でしかできないと思っているので、積極的に投げるようにしています」と左打者のインコースにカットボール、ストレートを多めに投げ、4月12日の西武二軍戦、0−0の初回先頭の蛭間拓哉に投じた初球143キロのカットボールでバットをへし折る投直に仕留めれば、5月14日のくふうハヤテ戦、0−0の初回二死走者なしで仲村来唯也を1ボール2ストライクから投じた5球目のインコース146キロ見逃し三振に仕留めたカットボールが良かった。
「真っ直ぐ、カット、腕がしっかり振れていれば、いい球を投げられているので、そこを目標にという感じですね」。
左打者のインコースだけでなく、6月1日の日本ハム二軍戦では、1−4の6回二死走者なしで平田大樹を2ボール2ストライクから外角145キロのストレートで見逃し三振に仕留めるなど、アウトコースでも打ち取った。
左打者の外角にストレートをどんどん投げ込んでいきたい考えがあるのか訊くと、「そうですね、真っ直ぐもしっかり投げていく必要があるなと今は感じているので、投げられる時は投げたいなと思います」とのことだ。
◆ 色々な捕手とバッテリーを組む
5月23日の楽天二軍戦、21個のアウトのうち9個がフライアウト、開幕してからの登板を見るとカットボールとストレートで空振り、ファウル、フライアウトが取れている時は良い時に見える。
「そうですね、バッターのアプローチにもよりますけど、どちらかというとそういうイメージです」。
また、ファームでは植田将太、松川虎生、田村龍弘といろんな捕手とバッテリーを組んだ。植田がマスクを被った4月12日の西武戦は序盤スライダーが少なめで、田村龍弘が先発マスクだった5月23の楽天二軍戦は立ち上がりからカーブが多かった。それは捕手の配球によるところが大きいのか、それとも打者との兼ね合いでそういった配球になっていたのだろうかーー。
「キャッチャーとミーティングしたり、投手コーチと話をしたりして、どういうふうな形で入っていこうかという話の中で変わっていると思いますね」。
緩急というところでカーブは「カウントをとったり、優位に進めるためにカーブが必要になってくると思うので、その辺は大事にはしていますね」と話した。
◆ スライダー
昨季は勉強中のボールと話し、4月4日の取材で「目先を変える意味でもスライダーが増えたかなという感じ」と話していたスライダーは、今季投球の割合が増えた。
その中で、4月12日の西武二軍戦、0−0の4回二死走者なしで栗山巧を1ボール2ストライクから空振り三振に仕留めた7球目のインコース低めの127キロスライダー、5月23日の楽天二軍戦、3−1の6回二死一塁で小森航大郎を2ストライクから空振り三振に打ち取った外角低めのスライダーは素晴らしかった。
スライダーに関して「徐々に良くなっているので、有効な球で使えるかなという意識ではいますね」と明かし、現在のスライダーの位置付けについて「幅広く使っていけたらなと思っています」と話した。
ファームでは9試合(7試合に先発)・41回1/3を投げ、3勝3敗、防御率3.05。自身の状態について「その時、その時で自分の状態が良い球というのがばらつきがあるんですけど、全体的にしっかり投げられているので、その中でどの球を選択して、どの球を投げるかは特に一軍に来たら必要になってくるので、そこを気をつけながら投げたいなと思います」と意気込んだ。
ファームでは先発調整してきた中で、一軍ではリリーフでの登板が予想されるが、若手にはない経験、味を一軍のマウンドで発揮して欲しいところだ。
取材・文=岩下雄太