
「軽井沢彫りの職人さんが『鉛筆彫ってみたんだけど見て貰えますか?』
って持って来た鉛筆!!
ヤバいですよね!?」
軽井沢彫りの職人さんが桜などの文様を美しく彫り上げた鉛筆の画像が「X」で注目を集めました。卓越した手仕事に感嘆の声が届いています。
「軽井沢彫り」は今から100年以上前に同地で誕生しました。外国人の宣教師や外交官のニーズに応え、別荘に置く西洋家具に職人が様々な植物などの文様を彫刻したのが始まりだといわれています。その後、桜のモチーフを彫刻したものが人気を博し、これが代表的な柄の一つとなりました。
「勿体無くて削れない」
「これを鉛筆削りで削っていく…日本人の好きな種類の儚さやん…」
「インバウンド需要ありそう! 鉛筆としては使ってもらえずオブジェ化しそうだけど!」
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繊細な美しさがたくさんの人を魅了しました。
画像を投稿したのは「下町の鉛筆屋 杉谷龍一」(@kitaboshi_)さん(以下、杉谷さん)のアカウントです。杉谷さんは鉛筆・文具メーカーの「北星鉛筆」(東京都葛飾区)にて5代目社長をつとめています。今後の販売予定を含め、杉谷さんに詳しい話をお聞きしました。
「こんな細い鉛筆のカーブした面に彫れるのか」
――長野県の伝統工芸品に指定されている「軽井沢彫り」ですが、その職人さんがこれらの鉛筆を彫ることになった経緯を聞かせてください。
今は軽井沢を離れて成田に住んでいる職人さんが「鉛筆彫ったらどんな感じになるんだろう?」と思い立って北星鉛筆の鉛筆を買って彫ってみたそうです。仕上がりを見せたいと北星鉛筆まで直接お電話をいただきました。
――そうだったのですか、鉛筆には花や葉など美しい彫りが施されていますね。
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軽井沢彫のモチーフとして使われるのは桜に加えて、松、竹、梅、ぶどう等です。この方はオリジナルでひまわりなども彫られていました。
――見事に彫り上げられた自社の鉛筆をご覧になった時のお気持ちは。
こんな細い鉛筆のカーブした面に彫れるのかとビックリしました。しかも聞いたところ下書き無しでいきなり彫ると聞いてさらにビックリです。
「商品化を検討中」
気になる今後の販売予定ですが、「思いの外反響が大きかったですし。受注生産での商品化も視野に入れて検討中です」と前向きな意欲を語る杉谷さん。今後の続報を待ちたいですね。
(まいどなニュース特約・山本 明)
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