
1月から家計簿を始めてみたけど、「節約できてるのかよく分からない」「記録はしてるけど、見直し方が分からない」という声をよく聞きます。家計簿は、ただ書くだけではもったいない! せっかくの努力を“見える成果”につなげるために、上半期の振り返りをしてみましょう。
私も家計簿をつけ始めた当初は、記録するだけで満足していました。でも、記録をもとに考えるクセがついてからは、「本当に必要な支出」と「なくてもよかった出費」の違いがハッキリ見えてきました。
ステップ1:支出を3つに分けて全体像をつかむ
まずは、これまでの支出をざっくり「固定費」「変動費」「特別費」の3つに分けてみましょう。1. 固定費
家賃や通信費、保険料など毎月ほぼ変わらない支出
2. 変動費
食費、日用品、光熱費、交通費など生活に合わせて変動する支出
3. 特別費
旅行、冠婚葬祭、家具や家電の購入、季節のイベントなど、年に数回のイレギュラーな支出
この3つに分類すると、「あれ?食費が思っていたより高い」「春に家電を買い替えていたから特別費が多かったんだな」と、支出の特徴や偏りが見えてきます。全体像をつかむことが、改善への第一歩です。
|
|
ステップ2:お金の使い方の「満足度」をチェック
次に、使ったお金に対して自分がどれだけ満足しているかを振り返ってみましょう。「ちょっと高かったけど、毎日使っていて大満足!」
「セールで安く買ったけど、結局使ってない……」
「気分転換に外食したのはよかった」
このように、金額の大小ではなく、“気持ちの満足度”に注目するのがポイントです。
私自身も、安さにつられて買ったけれど、使い勝手が悪くてすぐに手放した……ということが何度もありました。それ以来、「少し高くても、本当に欲しいと思えるものだけを選ぶ」ようにしたら、買い物の失敗がぐっと減りました。
ステップ3:使う頻度の高い項目からチェック
全ての支出を見直そうとすると、疲れてしまって続きません。まずは、頻度の高い支出から見直していきましょう。
|
|
・コンビニやカフェの利用が習慣になっていないか
・サブスクで、実際に使っていないものがないか
・お菓子や飲料など、無意識に増えていないか
物価が上がっている今は、こうした“ちりつも支出”の見直しがとても効果的です。「安いから気にしない」は危険サイン。数百円でも積み重ねれば月数千円、年間では万単位の差になります。

家計簿は、“我慢の道具”ではなく、“気付きの道具”
家計簿をつけるとなると、「節約しなきゃ」「ムダをなくさなきゃ」と構えてしまいがちですが、実は自分に合ったお金の使い方を見つけるための道具です。上半期の振り返りは、「お金をかけてよかったこと」「もう少し見直せそうなところ」に気付くチャンス。数字の裏側にある、自分の行動や気持ちを整理することで、家計の“満足度”は自然と上がっていきますよ。
2025年の下半期を、もっと気持ちよく過ごすためにも、今のタイミングで一度、家計簿と向き合ってみませんか?
二宮 清子プロフィール
家計管理や節約を軸に、生活に寄り添った提案を行うファイナンシャル・プランナー。家庭科の教師としての勤務経験があり、赤字家計を脱出した自分の体験から、ユーザー目線でのアイデアを発信している。(文:二宮 清子(ファイナンシャルプランナー))
|
|