矯正歯科治療は「若いうちにしなければいけない?」進化した “成人矯正歯科治療”を専門にしている方々が解説

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2025年06月07日 07:00  TOKYO FM +

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矯正歯科治療は「若いうちにしなければいけない?」進化した “成人矯正歯科治療”を専門にしている方々が解説
TOKYO FMの音声配信プラットフォームAuDee(オーディー)の番組「歯並びと健康 RADIO」。誰もが一生涯大切にしていきたい“歯の健康”。最近、関心の高まっている“成人矯正歯科治療”について、パーソナリティの河村由美が矯正歯科治療を専門にしている方々にお話を伺います。

6月1日(日)の配信では、矯正歯科月間や市民公開講座、成人矯正歯科治療に注目しました。


(左から)パーソナリティの河村由美、今村隆一さん、宮下貴代さん、中澤真紀さん



◆矯正歯科治療の正しい知識を学ぼう

年齢を重ねるにつれて、歯の大切さを実感する方は多いのではないでしょうか。かつて「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズが話題となりましたが、近年では見た目の美しさだけでなく、本来の役割である“噛み合わせ”への関心も高まっています。

当番組では、矯正歯科治療を専門にしている方々を招き、成人矯正の最新事情についてお話を伺います。まずは、日本成人矯正歯科学会 常務理事 広報委員の宮下貴代さんが「矯正歯科月間」について解説します。

日本成人矯正歯科学会では、毎年、学術大会が開催される6月の1ヵ月間を「矯正歯科月間」と定めています。目的は、むし歯予防デー・歯の衛生週間の6月に、矯正歯科についての関心を高め、きれいな歯並びで健康増進をはかることを呼びかけることです。学会ではこの時期に合わせて、一般の方々に矯正治療の情報をわかりやすく伝えるために、さまざまな企画をおこなっています。

「6月1日は矯正歯科学のパイオニアである、(エドワード・)アングル先生のお誕生日です。それに由来して6月1日を“矯正歯科月間の日”として記念日登録しています」と宮下さんは説明します。

矯正歯科における啓発活動の1つとして挙げられるのが「Webコミック」です。かつては冊子形式で配布していたものの、時代の変化に合わせてWebでの発信に切り替えられました。現在は、「子どもの矯正はいつ始めるべきか」「大人の矯正は今からでも可能か」「注目を集めるマウスピース矯正の注意点」の3つのテーマを掲載。矯正治療に対する理解を深めてもらうために、Webコミックという親しみやすい手段を活用しています。

さらに、学会では「E-ライン・ビューティフル大賞」という企画も展開。これは、鼻の先端とあごの先端を結んだライン「Eライン」を基準に、バランスの整った口元や横顔の美しさを評価するものです。

これまで、大賞は宮沢りえさん、米倉涼子さんら、名だたる著名人が受賞しており、宮下さんは「女優さんの表彰式がありますと、みなさん口元に関心を持ってくださるんですね。E-ライン・ビューティフル大賞を通して、自分の口元を見つめ直すきっかけになってくれるのではないかと思っております」とコメントしました。2025年の授賞式は、学術大会の開催日である6月12日(木)の予定です。

◆矯正歯科への理解を深める市民公開講座開催

さらに、広く一般の方に矯正歯科について理解を深めてもらうことを目的に、「市民公開講座」も毎年開催されています。この講座について紹介してくれたのは、日本成人矯正歯科学会の常務理事であり、学術大会実行委員長を務める中澤真紀さんです。

市民公開講座は、「矯正歯科治療に興味を持つすべての人が、正しい知識を得ることで、自身や家族の健康に役立ててほしい」との思いから始まったものです。市民公開講座の講師経験を持つ中澤さんは、「一般の方向けの優しい内容ではありますが、正しい知識の普及という意味において、医療従事者の方にも聞いていただきたい内容となっております」と呼びかけます。

気軽に参加できる市民公開講座は無料で、今年の講師はバレーボール元日本代表の大山加奈さんが務め、「私が考えるライフプランニング 健康・心・歯並び」をテーマに講座をおこないます。大山さんから寄せられたコメントを紹介します。

<大山加奈さんのコメント>
私自身、アスリートとして怪我や困難と多く向き合ってきましたが、引退をした今は心と体が健康であることが一番大切だと実感しています。矯正は見た目だけではなく、自分に自信や輝きを与えてくれ、その結果、自分自身を健康にしてくれるきっかけになると思っています。参加されたみなさまに、有意義なお時間を提供できるよう努めさせていただきます。

市民公開講座の詳細は、日本成人矯正歯科学会ホームページの学術大会サイトをご確認ください。

◆成人矯正歯科治療で気を付けるべきポイントは?

続いて、日本成人矯正歯科学会 学会副理事長で、今年度の学術大会で大会長を務める今村隆一さんに、成人矯正歯科治療について伺いました。「矯正歯科治療は若いうちにしなければいけない」というイメージがありますが、最近は大人になってから歯の矯正に取り組む人が増えています。

一方で、成人は、歯周病や欠損歯によって矯正が困難なケースもあります。「歯がちゃんと揃っていない場合に、どこまで矯正ができるかということですが、歯のない方、虫歯の方、歯周病の方も矯正できないことはありませんので、かかりつけ医の先生と一緒に治療していくことで、矯正は可能になります」と今村さんは話します。

「年齢によって矯正方法は変わるの?」という質問には、「基本的にすべて同じです」と今村さんは答えます。歯を動かす方法や治療の進め方に大きな違いはないとのこと。矯正の期間は早ければ1年半から2年半程度ですが、「歯を動かしたあと、周囲の骨がその新しい歯並びに順応するまでに同じぐらいの時間がかかります」といいます。

かつて主流だった「歯の表面に器具をつける矯正」は、今では選択肢が広がっています。歯の裏側に器具をつける「舌側矯正(ぜっそくきょうせい)」や、透明なマウスピース型の矯正装置が登場し、見た目にも配慮された治療法が人気を集めているそうです。透明なマウスピースは、スポーツ選手が競技中に使用するような透明素材でできています。そのため、日常生活でもほとんど気づかれないのが特徴です。

私たちが矯正治療に興味を持ったときに、最初にすべきことは何でしょうか? 今村さんは「まずはかかりつけの歯医者さんに相談することが大切です」と話します。日本成人矯正歯科学会は、一般歯科をおこないながら矯正治療を学ぶ先生も多く在籍しています。「今は矯正の知識も豊富になっておりますので、まずは一般的な虫歯治療で通っていらっしゃる先生のところで矯正の相談をしていただくのがいいと思います」と今村さんはコメントしました。

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音声版「歯並びと健康 RADIO」
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<番組情報>
番組名:歯並びと健康 RADIO
配信日時:2025年6月1日(日)
パーソナリティ:河村由美


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  • …先に猫背やストレートネック治さないと、根元がズレた位置で先端の口元だけ整えても、またおかしなことになるよ。
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