安田記念に出走予定のシックスペンス(撮影:下野雄規) 今週の日曜日は、東京競馬場で安田記念(GI)が行われます。
過去10年の安田記念では4番人気以内の馬が6勝、5番人気以下が4勝となっており、人気がなくても勝つチャンスのある一戦と言えます。ただ、2着や3着を見ると、4番人気以内の馬が2着8回3着7回。5番人気以下の馬が2着2回3着3回となっています。上位人気馬は勝ち切れなかったとしても、上位争いには絡む傾向にあると言えそうです。
特に注目したいのは1番人気に支持された馬の成績です。ここ10年の安田記念で1番人気の馬は2勝2着3回3着3回で連対率50%、複勝率80%と好成績を残しています。複勝回収率も100%超えとなっていますので、今年の安田記念でも1番人気の馬は信頼するべきかもしれません。
今年の安田記念で上位人気が予想されるのは1800m 以下では5戦5勝と無敗のシックスペンス、マイルのGIで2勝しているジャンタルマンタル、前走のドバイターフ(G1)で海外G1初制覇を成し遂げたソウルラッシュ、現在6戦連続連対中で前走のダービー卿CT(GIII)で重賞初制覇と勢いに乗るトロヴァトーレ、23年のエリザベス女王杯(GI)を勝ったブレイディヴェーグなどがいます。
今年の安田記念でも上位人気馬、その中でも1番人気に支持される馬には大きな期待をしたいところ。そんな安田記念で、はたしてAIはどういった結論に至ったのか。早速ですが、AIに弾き出された注目馬をご紹介します。
◆待ちに待ったマイルGIで力の入る一戦
今週の安田記念でAIが本命に抜擢したのは、上位人気が予想されるシックスペンスでした。
週初の本命候補にも挙がっていた本馬ですが、最終追い切りや枠順発表後もその評価に変化はなく、AIも太鼓判を推しているようです。
シックスペンスは先述した通り、1800m以下では負け知らず。敗戦を喫したのは前走の大阪杯(GI)と4走前の日本ダービー(GI)。大阪杯では状態も良くレースもスムーズに運べていたように思いましたが、終いの反応は今ひとつ。陣営は道中で溜めが利かなかったことを敗因に挙げています。日本ダービーは明らかに2400mの距離が合わなかったための敗戦でしょう。
今回はコンビを組んで4戦4勝のルメール騎手が鞍上。陣営も鞍上には全幅の信頼を置いているようですし、この馬の能力が出し切れる乗り方をしてくれるはずです。力を出し切れればGI級のメンバーが相手でも勝ち負けできることはこれまでの実績が示しています。
昨秋の毎日王冠(GII)ではホウオウビスケッツやローシャムパーク、今年の中山記念(GII)ではソウルラッシュなどの実力馬を負かして重賞勝ちを収めています。まだGI勝ちのないシックスペンスですが、ビッグタイトルを獲得できるだけのポテンシャルがあることはすでに証明しています。
芝1600mでの競馬は23年12月以来となりますが、これまでのレースで先行力を見せているだけに距離は問題ないはずです。昨秋はマイルCS(GI)に出走する予定もあったほどですし、陣営も芝1600mに高い適性を感じているのでしょう。そのマイルCSは順調さを欠いたために回避していますが、今回は待ちに待ったマイルGIへの出走となります。当然、ここは力の入る一戦になるはずです。
最終追い切りではウッドコースでオープン馬のサトノエピックとの併せ馬を消化。相手を追走する形ながら、終いは手応え十分で併せた相手に格の違いを見せつけるような走りで楽々と先着。今週の動きから状態面に不足はなさそうですし、ここは人気に応える走りを見せてほしいものです。