
ふと目を離してしまう瞬間は誰にでもある。だが盗人はそうした隙を静かに狙っている。投稿を寄せたのは宮城県の50代女性。今から30年以上前の「バブル後期」に窃盗被害に遭ったことがある。
「喫茶店に1人で入った時の事です。注文の品が届くまで時間つぶしにと、席から3mくらい離れた雑誌を取りに行って戻ったら、バッグが開いていました。嫌な予感がし中身を確認したら、お財布だけ抜き取られていました」
当時は「現金派」が多かったという。しかも、バブルという時代だからだろうか、「因みに現金は22、3万円入っていました」と語る。(文:湊真智人)
店内には怪しい男性、しかも「コップの指紋」は拭かれていた
被害に気付いた女性はすぐに店員を呼んで事情を説明した。話を続ける中、二人はある客の怪しい挙動を思い出した。
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「近くの席にいた30代くらいの男性が、私が雑誌を取りに行って間もなく直ぐ不自然に出て行ったので、その人が怪しいとなり、店員さんと表へ出て探したけれど見つからず警察へ連絡しました」
到着した警察は、男性客に出されたコップを調べて指紋の採取を試みた。ところが、「どうも拭かれていたようで採取出来なかった」と女性は聞かされた。男の犯行は計画的だったのだろうか。
さらに不運が重なった。肝心の女性のバッグを調べるも、「指紋が取れない素材」であることが分かった。結局「決定的な証拠」は得られずに終わった。
「人を見たら泥棒と思え」人間不信になった女性
しかし女性は諦めなかった。店員と共に警察署に出向き、「犯罪歴のある人のアルバム」のように並べられた写真から男性客の顔を探した。すると一人、「似た顔」をもつ男性を発見した。
その証言を元に、警察は後日その男性を取り調べた。この男性が、当時店内にいた怪しい男性客と同一人物だったか否は、投稿内で明言されていない。しかし事件の結末はこう書かれている。
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「その男性を取り調べしたようですが、当然認める訳は無いし証拠も無いし、結局ただ盗難にあっただけとなりました」
それ以来女性は危機意識を一段と高めたようで、
「バッグは肌身離さず持つようにしているし、時々お財布あるか確認するくらい神経質にもなりました」
と書いている。しかしこの「神経質」故に、人間不信に陥ることもあるという。事件から数十年経った今も拭い去れない怒りをこう綴っている。
「『人を見たら泥棒と思え』という諺通り、人を信用しなくもなってしまいました。もうただただ悔しいです」
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