
置き引きや窃盗が横行する職場では安心して働けない。「高価な物は会社に持っていかないことにしました」と語るのは大手企業に勤める40代女性だ。自分で頑張って買ったエルメスの腕時計を職場で盗まれたというのだ。
エルメスの女性用腕時計は安価なモデルでも50万円ほどする。もっとも、値段の問題だけではないかもしれない。自分へのご褒美として、給与で購入した腕時計を盗られたのだから……。(文:天音琴葉)
「先日、最新のスマートフォンを置き忘れた人も拾得物になく……」
女性は盗まれた経緯を次のように振り返る。職場のトイレで手を洗う際、水がかからないようにエルメスの腕時計を外した。そして、
「腕に戻すのを忘れて、手洗いから出たことにすぐ気づいて、3分ほどで戻りましたがもちろんなし……」
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と、わずかな時間に盗られたそうだ。
職場での落とし物は「総務に届けられるルール」になっている。普段、ハンカチやポーチといった安価な忘れ物は総務に届けられ、持ち主を探すメールが回ってくるという。だが、エルメスの腕時計は「もちろん届けられず諦めるしかありませんでした」と、女性は悔しさを滲ませた。
女性のほかにも、「先日、最新のスマートフォンを置き忘れた人も拾得物になく……」と、諦めざるを得なかったそう。高価な落とし物は、そのまま行方知れずになることが常態化しているようだ。
ロッカーから複数人が財布とスマホを盗まれ、警察が介入→犯人は自主退職へ
これが教訓となり、前述の通り、「高価な物は会社に持っていかない」と決めた女性。そして、
「社内盗難は置き忘れた私や各自にも責任はあるけれども、なんだか嫌だなと思います」
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と率直な心境を明かした。確かに物を置き忘れた人に落ち度はあるものの、置き引きをしていい理由にはならない。窃盗罪などの罪に問われる可能性もある。
過去には、社員しか入れないロッカーから複数人が財布とスマホを盗まれ、警察が介入する事態にも発展した。この事件の犯人は特定されたものの逮捕には至らず、自主退職という形で決着したという。
驚くべきことに、金品以外の盗難も後を絶たないそうだ。
「その他には共用冷蔵庫に入れておいた手作り弁当を盗まれる人もいます。ひどいときには食べかけにして冷蔵庫に戻されていて呆気にとられる……冷蔵庫前にまで防犯カメラ設置は情けないです」
置き引きや窃盗が相次ぐ職場で、今日も働いている女性は「かなり大手の会社なのに恥ずかしい」と複雑な心境を吐露していた。
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