安田記念に出走予定のシックスペンス(撮影:下野雄規) 日本ダービーが終わり、2歳新馬戦も始まる今週末…。
今週は「東京・阪神」の2場開催。GIは春のマイル頂上戦・安田記念(GI・東京・芝1600m)が行われる。
昨年は海外のロマンチックウォリアーの勝利となったが今年同馬は不在。新たな春のマイル王者を決める一戦となる。いつものように過去10年データを使って、レース傾向と馬券のヒントを探っていこう。
1.1番人気馬が馬券になる確率は80パーセント?
まずは人気上位馬たちの過去の成績チェックから。
1番人気馬は、過去10年でわずか2勝。モーリス(15年)、昨年のロマンチックウォリアー(24年)が勝っている。成績は[2-3-3-2]。馬券圏内率は80パーセントとなるわけだが、勝利数は少ないということ。馬券軸にするならば良いが、単勝馬券ではあまり勝負したくないという傾向だ。
対して、2番人気馬は過去10年0勝で、成績は[0-1-2-7]という不調。3番人気馬は1勝で、成績は[1-3-1-5]となっている。どちらも成績いまひとつだ。
一番良いのは、4番人気馬で3勝を挙げている。しかも4番人気馬は近4年で馬券圏内キープ率ならば100パーセントを誇る。
ほかは7番人気馬1勝・8番人気馬2勝・9番人気馬1勝。中位人気馬の勝利が多いことが特徴だ。単勝で狙うならばこのゾーンかもしれない。
2.関東馬優勢?
これは例年指摘してきた傾向。
安田記念は近年、関東馬の勢力が強くなりつつあった。21・22年は1〜3着すべてが関東馬で独占。一昨年も1・3着が関東馬だった。しかし昨年は一転「外・西・西」での決着。関東馬優勢は途切れてしまったわけだ。
とはいえ、過去10年の関東・関西の比較でいうと、1着馬は関東6勝・関西3勝・海外1勝。馬券圏内30頭とすると関東18頭・関西11頭・海外1頭という比率になる。今年は今後の傾向がどうなるかの分水嶺かも…。
3.好走する枠に偏りあり?
次に枠順の傾向について。
近2年を除けば、13年から22年までの10年間、1着馬は3・5・7枠というすべて奇数3つの枠からしか出ていなかった。しかし一昨年は大外18番の8枠、昨年は4枠勝利で、このジンクスは崩れてしまった。これも今年どうなるかは注目したいところ。一方、過去10年で勝ちなしが1・2・6枠というのも気には止めておきたい。
さらに馬券圏内30頭を枠別に整理すると、1〜4枠の内枠勢が合計11頭、5〜8枠の外枠勢が19頭となっている。安田記念はやや「外枠優勢」が続いているのだ。
4.リピーターは好走する?
22・23年はソングラインが連覇。それ以前も、例を出せばきりがないくらいに安田記念はいわゆるリピーターの好走が顕著なレースだ。ただ昨年出走あった一昨年2着のセリフォスは5着敗退。まあすべてが好走するというわけでもないわけだ。今年は昨年3着のソウルラッシュが出走してくるが果たしてどうなるか。
ちなみに前年3着から順位を上げてきたタイプというのは19年3着から20年2着というアーモンドアイ、21年3着から22年2着というシュネルマイスターの2頭しかいない。
5.騎手もリピーターがいる?
騎手にしても安田記念得意といえそうなタイプがいる。
過去10年で成績がいいのは、川田騎手が3勝、池添騎手も2勝と複数勝つリピーター騎手がいる。しかし一番凄いのはやはりルメール騎手。過去10年で1勝(18年モズアスコット)しかあげていないが、過去10年で騎乗機会9回[1-3-2-3]という好成績だ。しかも18年から23年までは6年連続で馬券圏内をキープしていた。しかも近7年中、4回は騎乗馬で、出走馬中、上がり最速をマークしている。
6.狙うのは牝馬?
安田記念は近7年、牝馬が必ず連対している。過去7年で8頭が連対しているのだから、中心は牝馬からと考えてもいいくらいだ。
昨年はナミュール、フィアスプライドと牝馬は2頭のみだったがナミュールが2着に。しかし今年は現時点で牝馬の登録あるのは、ブレイディヴェーグのみ。今年も傾向継続となるのかどうか。