ブルペンで投球練習するロッテ・中森俊介[撮影=岩下雄太] 「今は同点だったり、勝っている状態で投げることが多いので、勝っている状態ならそのまま次のピッチャーに繋げられるようにと思って投げています」。
ロッテの中森俊介は開幕からロングリリーフを中心に投げていたが、5月に入ってからは勝ち試合で登板する機会が増え、現在は主に勝ちゲームの8回を担当している。
7日の中日戦も3−1の8回にマウンドに上がると、先頭の代打・川越誠司に二塁打を浴びたが、代打・高橋周平を二ゴロ、岡林勇希をフォークで空振り三振に仕留め、2アウトとする。田中幹也に死球で一、三塁としてしまうも、この日先発・田中晴也から本塁打を放った上林誠知を2ボール2ストライクからフォークで空振り三振に抑え、無失点で切り抜けた。
これで中森は今季7ホールド目を挙げ、ここまで16試合・20回1/3を投げ、1勝2敗、防御率1.77。
ここ最近は勝ち試合の8回での登板が増えたが、投げるポジションがある程度予想できるようになったことで準備のしやすさ、マウンドに上がるまでの心持ちなどの変化はあるのだろうかーー。
「そこまで大きく変わらないですね。複数投げる時は先発ピッチャーが球数かさんだり失点を重ねている時に、ある程度の準備をしていますし、8回、今の状況でもだいたいこれくらいの時に投げるだろうなと前段階で準備ができていので、そこまで大きく変わっていないかなと思います」。
5月27日と28日のオリックス戦では連投も経験。連投に関しても「オフシーズンから先発をする予定でこのシーズン入ってきている。長いイニング、球数を投げられる体を作ってきたつもりなので、連投は苦じゃないですね」と頼もしい言葉。
投球面でいえば、5月7日の楽天戦、5月18日の日本ハム戦で自己最速タイの154キロを計測するなど、2月の練習試合から変わらず力強いストレートを投げ込んでいる。
「一番の信頼できる球というか、打たれて悔いのない球ではあるので、現状に満足はしていないですけど、もう少し上げていければなと思います」。
5月5日の取材で「全体的に再現性よく投げられている」と話していたフォークは、この1カ月で、5月20日のオリックス戦、1−1の8回二死一塁で来田涼斗を1ボール2ストライクから137キロのフォークで空振り三振に仕留めるなど、良い球を投げていた。
「(来田を三振)その時は良かったですけど、最近エスコンで投げた時のフォークは結果的に三振でしたけど、浮いて落ちずにボールの下を叩いてくれて三振だったり、4日の巨人戦も追い込んでからゾーンに残しちゃっている。もう少し軌道と高さを頑張りたいなと思います」。
5月6日の取材で練習中と話していたジャイロ系のスライダーに関しては「4日の巨人戦も投げて数値的にも良かったですし、空振りを奪いたいために覚えた球種ではあると思うので、勝負所で使っていきたいなと思います」と話した。
今季に向けて先発ローテーション入りを目指し自主トレからトレーニングを積み、規定投球回達成を目標に掲げていた。開幕からリリーフで投げている中で、新しい目標を立てたりしているのだろうかーー。
「特にないですね、僕自身毎日でも投げられるので、どんどん試合で投げて、経験を積みたいと思います」。
リリーフ陣が不安定な中で、中森の存在感が日に日に高まっている。この先も安定した投球を披露してほしいところだ。
取材・文=岩下雄太