
今回はマーチャンダイジング・オンの提供する流通POSデータサービス「RDS-POS」をもとに、2024年度の「カップ麺の売上」をランキング化。その結果を紹介するとともに、All About ラーメンガイドで、これまでに5000杯以上のラーメンを食したラーメン評論家の本谷亜紀さんが、商品の特徴などを解説します。
3位:あっさりおいしいカップヌードル

3位は日清「あっさりおいしいカップヌードル」。カップヌードルの味わいはそのままに、麺をカップヌードルの約8割である50gに、飲み口をスッキリに仕上げています。少なめの量を好むユーザーを対象とした商品で、2018年4月より販売中。カレー味やシーフード、チリトマト味など全5種類がラインアップされています。
2位:カップヌードル シーフードヌードル

2位は日清「カップヌードル シーフードヌードル」。魚介のうまみを濃縮した白濁スープが特徴で、具材にはほぼイカ、イカ、カニ風味かまぼこ、スクランブルエッグ、キャベツなどを使用しています。“ほぼイカ”とは、海鮮のうまみを凝縮させた、まるでイカのような味わいと食感のかまぼこのこと。2020年10月のリニューアルで新たに加わった新具材です。
1位:カップヌードル

1位は日清「カップヌードル」。TOP3を日清のカップヌードルシリーズが独占しました。世界で初めてインスタントラーメン「チキンラーメン」を発明した日清食品の創業者・安藤百福氏が発明したカップヌードルは、1971年に世界初のカップ麺として誕生しました。つるつるとしたしなやかな麺に、コショウの効いたスープ、豚肉や野菜、大豆たんぱくなどをミンチ状にした“謎肉”が特徴です。
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“ブランド”として圧倒的な地位を築く
2024年度の売上ランキングTOP3を独占したカップヌードル。ラーメン評論家の本谷亜紀さんに商品の特徴や、ここ最近のカップラーメンのトレンドをお聞きしました。本谷:カップヌードルはもはや単なる一商品ではなく、“ブランド”として圧倒的な地位を築いています。老若男女問わず、豊富なフレーバーやサイズ展開で“自分に合う一杯”を選べる点が最大の強みです。常に店頭に並び続け、他のカップラーメンが入れ替わりの激しい中でも安定した存在感を放っています。
また、カップヌードルはアレンジのしやすさも魅力で、例えばシーフードヌードルをお湯の代わりに牛乳を入れて作るなど、家庭での“ちょい足し”アレンジもSNSを中心に人気です。
近年は「健康志向」や「少量ニーズ」への対応も顕著で、「あっさりおいしい」シリーズのように量やカロリーを抑えつつ満足感を損なわない商品がヒットしています。さらに、ダイエット向けの「高たんぱく&低糖質」や「ソルトオフ」など、健康ニーズに応える商品も充実しています。
一方、カップヌードル以外のカップラーメンも多様化が進んでいます。明星食品の「ロカボNOODLES」や、BASEFOODの「焼きそば」など健康志向、若者向けコラボ商品などが登場し、選択肢の幅が広がっています。また、有名店の監修やご当地ラーメンの再現、ノンフライ麺や激辛・エスニック系など、専門性や個性を打ち出した商品も人気です。
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<参考>
マーチャンダイジング・オン RDSスーパー全国 即席麺 カップ 2024年4月〜2025年3月 100店舗当たり累計販売金額
※RDS MD分類:即席麺 カップ分類から抽出
本谷 亜紀のプロフィール
これまでに5000杯以上のラーメンを食したラーメン評論家。都内から地方まで400店舗以上のラーメン店を取材し、テレビ出演多数。企業とのコラボ商品アドバイザーなども手掛ける。(文:本谷 亜紀)