スパレッティ監督が会見で解任を明かした [写真]=Anadolu via Getty Images イタリア代表を率いるルチアーノ・スパレッティ監督が8日、翌日に控えたFIFAワールドカップ26欧州予選・グループI第4節モルドバ戦の前日会見に出席。同会見の中で、イタリア代表監督から解任されたことを明らかにした。『スカイ・イタリア』など複数の現地メディアが、会見の様子を伝えている。
UEFAネーションズリーグ(UNL)2024−25で準々決勝敗退となったイタリア代表は、今回の6月シリーズよりFIFAワールドカップ26欧州予選がスタート。6日に行われた初陣ではノルウェー代表と対戦したが、14分にFWアレクサンダー・セルロート(アトレティコ・マドリード/スペイン)に先制弾を奪われると、その後も失点を重ね、最終的には0−3で敗北。既に3試合を消化したノルウェー代表に勝ち点差「9」をつけられ、幸先の悪い滑り出しとなった。
UNLのゲームも含めると、直近の国際Aマッチ4試合未勝利という状況。直近は2大会連続で本大会の出場権を逃しており、今回は“3度目の正直”を果たしたい。次節のモルドバ代表戦では勝利が必要不可欠だが、このような状況の中で、スパレッティ監督が会見で驚きの言葉を口にした。
「昨晩、グラヴィーナ(※ガブリエーレ・グラヴィーナ/FIGC(イタリアサッカー連盟)会長)と話をして、代表監督の職から解任されることを告げられた。みなさんには本当に申し訳なく思っている。これまでのチーム、スタッフとの関係性を考えると、私から辞任するつもりはなかった。特に、状況が悪化している時だからこそ、ここに残って職務を全うしたかったんだ」
「しかし、これは解任であり、私はその事実を受け止めなければならない。私は常にこの役割を母国への奉仕と捉えており、代表チームの未来に貢献したいと思っていた。最後まで最善を尽くすことが正しいと考えている」
「明日の夜、モルドバ戦に臨み、その後、契約を解除する。私は常に、『私の選手たちは強い』と主張してきた。私が率いた結果が現状であり、責任を取らなければならない。このユニフォーム、この仕事、そして私が指導してきた選手たちを愛している。明日の夜、たとえ私がベストを尽くせなかったとしても、彼らには私が求めたことを実行してもらうつもりだ」
「楽な道のりでないことはわかっていたが、私たちはワールドカップに出場できると確信していた。今でもその確信は変わらない。グラヴィーナと話した時も、その確信は揺らがなかった。1つの試合に負けたからといって、すべてが崩壊するわけではないのだから」
「将来のビジョンを持つことも大事だが、今は状況を受け入れらければならない。彼らは強い選手たちだから、私のレベルがはるかに低かったということだ。過ぎ去ったことをくよくよ考えるのは時間の無駄だ。過去に戻ることはできないのだから。今は、このユニフォームにふさわしい試合をすることが不可欠だ」
今回の『スカイ・イタリア』の報道によると、FIGC首脳陣と数日にわたり議論と分析を重ねた上で、決断が下されたようだ。なお、現在同メディアは、後任の候補として複数名の人物を紹介。最有力と言えるのは、2021−22シーズンに11年ぶりとなるスクデットをミランにもたらし、現在はアル・ナスルを率いるステファノ・ピオリ監督だという。今シーズン限りでローマとの契約が満了を迎えるクラウディオ・ラニエリ監督に対しても、グラヴィーナ会長が熱視線を送っているとのことだ。
同時に、FIFAワールドカップドイツ2006でトロフィーを勝ち獲った選手たち、具体的にはファビオ・カンナバーロ氏、ジェンナーロ・ガットゥーゾ氏、ダニエレ・デ・ロッシ氏らも候補として名前が挙がっているようだ。現在フリーのロベルト・マンチーニ氏の帰還は現実的ではないと指摘されている。
果たして、スパレッティ監督は自身が率いる最終戦を白星で飾り、勝ち点「3」を置き土産に“アズーリ”を離れることはできるか。そして、後任は誰になるだろうか。
【ハイライト動画】イタリア代表、W杯予選初陣でノルウェーに完敗