ジョーブはサンダーランドの9年ぶりプレミア昇格に大きく貢献 [写真]=Getty Images ドルトムントが、サンダーランドに所属するU−21イングランド代表MFジョーブ・ベリンガム獲得について、クラブ間合意に達した模様だ。イギリスメディア『スカイスポーツ』が8日に報じている。
ジョーブ・ベリンガムは2005年9月23日生まれの現在19歳。レアル・マドリードに所属するイングランド代表MFジュード・ベリンガムの弟としても有名だ。兄と同じくバーミンガムのアカデミーで育ち、2022年1月にトップチームデビュー。2023年夏にサンダーランドへ活躍の場を移すと、セントラルミッドフィルダーを主戦場として主力に定着し、これまでに公式戦通算90試合出場11ゴール4アシストを記録している。
今季のチャンピオンシップ(イングランド2部リーグ)を4位で終えたサンダーランドは、昇格プレーオフ準決勝で日本人MF坂元達裕を擁するコヴェントリーと対戦し、延長戦にまでもつれ込む激闘の末、2戦合計3−2と劇的勝利。一発勝負で行われた決勝では、シェフィールド・ユナイテッド相手に後半アディショナルタイムに逆転ゴールを奪い、2−1とまたも劇的な形で白星を掴んだ。この勝利により、サンダーランドは2016−17シーズン以来となるプレミアリーグ復帰が決定。一時はリーグ1(イングランド3部リーグ)にも沈んでいたが、暗黒期を乗り越え、再びプレミアリーグの舞台に戻ってきた。その中心選手として活躍したのが、ジョーブだった。
そんなジョーブはサンダーランドとの現行契約を2028年6月末まで残しているものの、ブンデスリーガの複数クラブが獲得に興味を示していることが明るみに出ていた。ジョーブ自身もドイツ行きに前向きな姿勢を示しており、フランクフルトやライプツィヒからの接触もあったものの、“本命”はドルトムントだったという。ドルトムントを率いるニコ・コヴァチ監督が、クラブ幹部とともにサンダーランドを訪れたほか、セバスティアン・ケールSD(スポーツディレクター)が選手側との会談に臨んだことなどが報じられていた。
このような報道の後、ドルトムントは初回のオファーを提示したものの、2000万ユーロ(約33億円)の移籍金はサンダーランドの評価額と大きな隔たりがあり、拒否されていた。それでも、ドルトムントは2度目のオファーで、3300万ユーロ(約55億円)の移籍金に加え、ボーナス500万ユーロ(約8億円)、さらに将来の売却額の15%をサンダーランドが受け取れるセルオン条項も付随した条件を提示。サンダーランドが設定した契約解除金の4000万ユーロ(約66億円)は下回っているものの、ボーナスが満額支払われる場合は合計3800万ユーロ(約63億円)と限りなく近い条件となったことで、サンダーランドは首を縦に振ったという。
なお、この金額はサンダーランドから移籍する選手の売却額としては、史上最高額を更新するものだという。ドルトムント側の歴代最高額の移籍金は、2016年夏にレンヌからフランス代表FWウスマン・デンベレ(現:パリ・サンジェルマン)を獲得した際の3500万ユーロ(現在のレートで約58億円)。ジョーブの移籍は、ボーナスを除くと歴代2番目に高額な取り引きとなり、最終的なボーナスの支払い金額次第では、歴代最高額を更新する見込みだ。
クラブ間合意に達したことで、ジョーブのドルトムント移籍成立は時間の問題と見られている。2020年夏、兄のジュードはバーミンガムからドルトムントへ渡ったが、弟のジョーブはサンダーランド経由して、兄と同じ道を辿ることとなりそうだ。
【ハイライト動画】サンダーランドが超劇的な形でプレミア復帰を決める!