ロッテ・早坂響[撮影=山下拓人] 「ファームと違う雰囲気があるので、そういう中で投げられたのはすごく良い経験ができたと思います」。
ロッテの高卒2年目・早坂響は、一軍のマウンドに初めて上がり、現在は再昇格を目指し、ファームで課題を持って取り組む。
5月11日にプロ初昇格を果たすと、同日の西武戦でプロ初登板。0−9の8回無死走者なしで先頭の滝澤夏央を2ボール2ストライクから7球目のインコース148キロストレートで空振り三振を奪いプロ初奪三振を記録するなど、デビュー戦は1回・22球を投げ、3被安打、1奪三振、1失点だった。
プロ2度目の登板となった同月14日の楽天戦では0−4の8回に登板し、先頭の代打・小郷裕哉を148キロのストレートで三邪飛に仕留めると、続く中島大輔を149キロのストレートでセカンドゴロ、最後は辰己涼介を149キロのストレートでセカンドゴロと、1イニングを3人で片付けた。
この登板から2日後の5月16日に一軍登録を抹消され、現在はファームで過ごす。一軍登板を経て感じた課題と収穫について早坂は「真っ直ぐは自分の武器だと思うんですけど、それもしっかり前に弾き返されたりしたので、そこはまだ練習してレベルアップしていけないところかなと思いました」と明かした。
ファームでは「四球、先頭打者とか、細かいことよりも四球を減らす、ファーストストライク取るとか、ピッチャーとしてのシンプルだけど難しいようなところを一番意識して、とにかくゼロで抑えていくことを意識してやっています」と話し、一軍登録抹消後はファームで3試合連続で無失点に抑えている。
5月25日の楽天二軍戦は1イニングを10球、5月28日の巨人二軍戦は1イニングを9球にまとめるなど、少ない球数で抑える試合が増えている。
「球数少なく終われればそれはそれで良いんですけど、それとプラスで変化球をいろんな場面で挑戦して投げたりとか、今まで真っ直ぐ一辺倒で行っていたところもあるので、そういったところも挑戦していけるようにと思っています」。
変化球で言えば、石垣島春季キャンプ中に「フォークはもう去年からちょこちょこ投げ始められてても、カーブはこのオフシーズン練習して、今シーズンから使っていけたらいいなっていう風にも思っています」と話していたが、現在は「フォークは結構試合でも投げられています。左バッターに対して空振りを取れている時もあるので、フォークは良くなってきたかなと思います」と手応えを掴む。
同学年の寺地隆成、同じ投手の木村優人は高卒2年目ながら、一軍の戦力として活躍している。彼らの存在について早坂は「意識というか、良い刺激になるなと思います」と闘志を燃やす。
「またすぐ一軍の舞台で投げられるように、とにかくファームでいい結果を残していきたいと思います」。木村、寺地と同じ舞台でプレーするため、ファームでは結果にこだわっていく。
取材・文=岩下雄太