元白鵬が語った「相撲協会での自分立ち位置」と質疑の中で垣間見えた協会の“腹黒さ”

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2025年06月09日 17:10  週刊女性PRIME

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元横綱・白鵬の宮城野親方

 日本相撲協会を退職した元横綱・白鵬、前宮城野親方の白鵬翔氏(40)が9日、都内のホテルで記者会見を開いた。約1時間にわたる会見で白鵬氏は終始冷静かつ大人な対応を貫き、会見には前伊勢ヶ濱の宮城野親方(元横綱・旭富士)も同席した。

報道されていた憶測等に回答

 会見で白鵬氏は、退職に至る経緯とこれまで取り沙汰されてきたさまざまな憶測に対することについて率直に語った。構えていた宮城野部屋が伊勢ケ濱部屋の預かりとなって「(いつ)再興というのが明言されず、今回の形になった理由が大きい」とした。

 19人中10人が引退した弟子たちについては、

弟子たちは大島部屋、元旭天鵬さんのところに行きたい思いがあった。同じモンゴル出身だからダメだという声があったし、他の部屋だったら行きたくないという力士がいて、9人が引退した原因がそこにある」と明言。

 また、このまま伊勢ヶ濱部屋に残ると、白鵬は“部屋付き”の親方という立ち位置になるため、“部屋の師匠”である照ノ富士(現・伊勢ヶ濱親方)の下に付くという関係になる。さまざまな憶測を読んだ、“上下関係”に関しても、

報道でいろいろ書かれましたけど照ノ富士の下はイヤというのは全くない」と明確に否定し、「弟子の指導に身が入っていない」との指摘には「3月から言葉や行動の私自身の身が入っていないというのがあったのかもしれません」と包み隠さず語った。

今の自分が置かれている立場を考えますと、協会の中ではなく外の立場から相撲の発展に力を注いでいくことがいいと判断して、最終的には自分自身で決断しました」と発言。この「今の自分が置かれている立場」という表現は、相撲協会内での処遇に対する唯一の批判的なニュアンスを含んでいたが、それでも品格を保った言い回しで、会見全体を通じて見せた大人な対応をした白鵬。

 この冷静な立ち回りにネット上では、

《本人の頭の良さを感じたし、優秀なブレーンが言葉をチェックしたのだろうと窺えた》

《相撲協会への不満を一切述べなかったかわりに、協会に対する思いも述べなかった事にちょっと元横綱の意地を感じた》

《照ノ富士との確執がないと言いきってもらってよかったです》

《相変わらず相撲協会は闇が深いな》

 と、白鵬のスマートさに好印象を持つ声が相次いだ。

相撲協会内部の問題を浮き彫りに?

今回の会見で印象的だったのは、白鵬氏が最後まで相撲協会への直接的な批判を避けながらも、事実は事実として率直に語った印象です。特に弟子たちの進路について『同じモンゴル出身だからダメという声があった』という発言は、協会内部の問題を浮き彫りにしているように見えますね。これに協会の陰険さや意地悪さを感じ取った人は多いでしょう」(スポーツ紙ライター)

 今後の活動では「相撲を世界に広めてくプロジェクトを中心に活動する。『世界相撲グランドスラム』という構想のもと、相撲を世界に広めていく」と相撲がオリンピックになる構想を明かしている。

 国内のアマチュア相撲を統括する『日本相撲連盟』の次期会長には、白鵬とも交流のあるトヨタ自動車の豊田章男会長(69)が有力候補となっていることもあり、世界規模でのSUMOの普及に期待できるだろう。

 会見終了後、白鵬氏は報道陣に向かって一礼。その姿に、多くの人が新たな門出への期待と、日本相撲界の損失への惜しみを感じたのではないだろうか。史上最強の横綱が歩む新たな道が、相撲界全体にどのような変化をもたらすのか、今後の動向が注目される。

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