「東京喰種」花江夏樹、雨宮天、花澤香菜ら声優陣生アフレコ&ライブも!10周年記念イベントレポ

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2025年06月09日 20:01  アニメ!アニメ!

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TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』の10周年を記念するスペシャルイベント「東京喰種FES. -PLAY BACK-』が、2025年6月8日に東京の立川ステージガーデンにて開催された。

10周年記念のフィナーレを飾る集大成となるステージには、花江夏樹(金木研役)、雨宮天(霧嶋董香役)、花澤香菜(神代利世役)、釘宮理恵(鈴屋什造役)、岸尾だいすけ(旧多二福役)、豊永利行(永近英良役)が出演し、『東京喰種』全シリーズの名シーンを中心とする生アフレコを披露した。また、出演が叶わなかった宮野真守(月山習役)、小西克幸(亜門鋼太朗役)もナレーションで参加した。
さらに、アニメのオープニング・エンディングを担当したTK from 凛として時雨、People In The Box、österreich、Cö shu Nie によるライブパフォーマンスも行われ、美しくも悲しい物語を再び“プレイバック”した。この記事では昼の部の模様を紹介する。

開演が迫るなか、突如としてVTRが流れるとまさかの月山習(CV.宮野真守)が登場した。客席を埋め尽くす紳士淑女に語りかけ、会場の様子が映し出されると大きく手を振りかえすファンの姿も見られた。うれしいサプライズに興奮冷めやらぬなか、いよいよイベントがスタートする。
スクリーンに映し出されたのは、『東京喰種トーキョーグール:re』24話だ。そこから“プレイバック”されていく演出により、物語の主人公・金木研(CV.花江夏樹)が、自らの運命を変える神代利世(CV.花澤香菜)との出会いのシーンまでさかのぼる。

金木に「私もあなたの事が好き」と告げたリゼは、ヒトに紛れ、ヒトを狩り、その死肉を喰らう“喰種”だった――。衝撃的な『東京喰種』1話を生アフレコで浴びる衝撃から抜け出す暇もなく、People In The Boxによる「聖者たち」のイントロが流れ出す。EDテーマとしてアニメを彩ってきた名曲が、映像とともにパフォーマンスされ、会場はさらに深く「東京喰種」の世界へと没入していった。

再び生アフレコへと戻ると、霧嶋董香(CV.雨宮天)vs 真戸呉緒(CV.大川透)を描いた8話、さらに「アオギリの樹」に連れ去られた金木が精神世界でリゼとの“再会”を果たす12話が描かれる。 怒涛の展開を再び体感した会場は、圧倒されしんと静まり返る。そんななか、MCとして吉田尚記アナウンサー(ニッポン放送)が登壇。軽快なトークで会場の空気をほぐしながら花江と花澤を呼び込み、ここまで“プレイバック”してきた感想を聞いた。

万雷の拍手で迎えられたふたりは、「10年あっという間だった」と振り返る。観客の前で“プレイバック”する感想を聞かれた花澤は、過去の映像を見ると当時は背伸びして演じていたが、今はちょうどいいと感じているとコメント。新たなニュアンスを加えたい気持ちと、当時通りの演技を届けたいという思いのせめぎあいだとも明かした。
花江も改めて過去の自分の演技と向かいあい、「ものすごく頑張っていた10年前の自分に負けないように」との思いを抱いたという。一方で、第2期となる『東京喰種トーキョーグール√A』は、演じる上で「つらさMAX」だったとの声も寄せた。

そんな『東京喰種トーキョーグール√A』パートでは、ヤモリ(CV.西凜太朗)との闘い後、金木が「あんていく」には戻らず「アオギリの樹」に入ることをトーカに伝えて去っていく……。その後、金木がトーカと再会を果たし、篠原幸紀(CV.仲野裕)と鈴屋什造(CV.釘宮理恵)が「あんていく」に来店した8話を経て、物語は「梟討伐戦」へと突入する。

生アフレコのシーンに選出されたのは、自分を庇った篠原が倒され、初めて感情をあらわにする什造が描かれた12話だ。什造の悲しい慟哭に、会場は静かに息を飲む。さらに亜門鋼太朗(CV. 小西克幸)VS 金木を経て、「あんていく」で金木とヒデこと永近英良 (CV.豊永利行)が再会する場面が“プレイバック”される。
お互いにかわした「帰ろうぜ」「帰ろう」という一言に、当時の感動が鮮やかによみがえったファンも多かったはずだ。そしてösterreichによる「無能」が、ヒデを抱えて歩く金木のシーンとともに披露される。心揺さぶる演奏と、鎌野愛の切なくも力強い歌声が会場中に響き渡った。

トークコーナーでは、雨宮と豊永が登場した。雨宮は当時まだ新人で、アフレコ現場では先輩たちからいろいろなことを教わったと懐かしそうに語る。トーカの不器用でがむしゃらな姿勢が、自分とも重なったと振り返る場面もあった。
豊永は「(ヒデは)緊張と緩和の緩和を担っているからこそ、あえて意識しないようにしていた」とし、収録現場において、つらい場面の収録が続く花江と雨宮を見守っていたという。当の雨宮も、豊永の存在、明るさがありがたかったと感謝を伝え、10年経っても変わらないキャスト陣の絆を垣間見せた。

続いて生アフレコでは、梟討伐戦から2年後を描いた『東京喰種トーキョーグール:re』が開幕した。これまで“喰種側の視点”で描かれてきた物語は、“人間側の視点”と複雑に絡み合いながら、佐々木琲世を主人公に迎えて新たなページが綴られていく。
6話では什造が、かつて自身を“飼いビト”として育てた人物であり因縁の相手でもあるビッグマダム(CV.斉藤貴美子)と対峙する。自分を拒絶し続けるマダムに、それでも言葉を届ける姿が胸に響く名シーンのひとつだ。

続いてピックアップされたのは、旧多二福(CV.岸尾だいすけ)の演説シーン。吉田アナのコメントにもあった通り、本人はウケをとろうと思っているのに怖くて誰も笑えないところが実に旧多らしく、同時に底知れなさをうかがわせる。『東京喰種:re』前半パートを締め括るのは、Cö shu Nieの「asphyxia」だ。美しいアカペラから一転、重厚かつ鋭い音圧で畳み掛けられる圧巻のパフォーマンスに、会場からは大きな拍手が送られた。

残すは『東京喰種:re』後半パートのみとなり、トークパートではキャスト6名全員が登壇した。什造の役づくりについて聞かれた釘宮は、どうやっていいかずっとわからなかったと意外な回答を寄せる。練習しすぎないほうがいいと実感してからは、道を作らずに歩いて行こうと思って演じたという。
旧多役の岸尾は、この役は自分しかいないと思ってオーディションを受けたとの裏話を明かし、会場からも笑い声が漏れていた。花江も「ステージに出てきた時のハッピー感」と、アフレコ現場などで感じた底知れなさのバランスが、実に旧多らしいと思ったと語った。

さらに、TVアニメ『東京喰種√A』、『東京喰種:re』のEDテーマ・アーティストであるamazarashi、女王蜂からお祝いのメッセージが届いた。またVTRにて、西尾錦役・浅沼晋太郎、有馬貴将役・浪川大輔の両名からお祝いコメントも寄せられた。

そして最後の生アフレコパートでは、全喰種の殲滅を掲げる旧多、喰種と人間が理解し合える世界を実現させるため「黒山羊」を設立した金木の対立が描かれる。はたして、相反する二人がたどり着く結末とは。
19話で、トーカとの間に子どもができたことを知り、喰種の結婚の証としてお互いに咬み傷を残す金木だったが、旧多率いる“オッガイ”に追い詰められて“竜”の姿となってしまう。その後、22話で目が覚めた金木は、不思議な空間でリゼと再会。「私が憎い?」と問いかけられ、金木は「あなたを憎む気持ちなんてなくて……」と吐露し、「僕は幸せだったんだ」と実感する。

そうして迎えた最終話では、金木と旧多が真っ向から衝突する。闘いの果てに金木は、「僕は小説の主人公でもなんでもない……」から始まるあのセリフを残し、ステージ中の照明が落ちる――。

“プレイバック”を締め括るのは、TK from 凛として時雨の「unravel」だ。今や TV アニメ『東京喰種』の代表曲といっても過言ではないほどの人気を誇る楽曲なだけに、待ち望んでいた観客は思わず息を飲む。緊張感でつつまれた会場を、TKの歌声とギターをはじめとしたバンド陣の轟音がつんざいた。TVアニメ10周年のフィナーレを飾るにふさわしい、まさに圧巻のライブパフォーマンス後、会場からは熱い拍手がやまなかった。最後は花江が音頭をとり、「ありがとうございました!」とキャスト陣が深々とお辞儀。今日一番の拍手が送られるなか、イベントは幕を閉じた。

なお本イベントのグッズは、「東京喰種 EX. OFFICIAL STORE」にて事後物販が実施中だ。描き下ろしイラストなどを使用したイベントオリジナルグッズのほか、EC限定商品も取り扱われている。この機会に、TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』との思い出をぜひ手元に残そう。





<東京喰種FES. -PLAY BACK-概要>
■タイトル:東京喰種FES. -PLAY BACK-
■開催日時:2025年6月8日(日)
■開催時間:
昼の部14:30開場/15:30開演/17:30終演
夜の部18:30開場/19:30開演/21:30終演
■主催:ソニー・ミュージックソリューションズ
■協賛:フィールズ株式会社
(セットリスト)
M1 聖者たち(People In The Box)
M2 無能(österreich)
M3 asphyxia(Cö shu Nie)
M4 unravel(TK from 凛として時雨)
取材:藤谷燈子

<東京喰種FES. -PLAY BACK- 事後物販情報>
・販売期間:6/9(月)18:00〜7/3(木)23:59
(C)石田スイ/集英社 (C)石田スイ/集英社・東京喰種製作委員会 (C)石田スイ・十和田シン/集英社・東京喰種製作委員会 (C)石田スイ/集英社・東京喰種:re製作委員会

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