バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)のレバンガ北海道に加入した24年パリ五輪代表の富永啓生(24)が9日、札幌市内で会見を行った。
「NBAに行く一番の近道」として加入を決断。きっかけの1つとなったU−16日本代表時代からの恩師、トーステン・ロイブル新監督(53)のもと、チームをポストシーズン進出に導く。
◇ ◇ ◇
米国帰りの富永が新天地に選んだのは、北の大地のクラブだった。今季東地区5位フィニッシュ、決して強豪ではない。それでも熱烈オファーを受けて加入を決めた。自身2度目の北海道ではスーツ姿で会見に臨み、「ここに来ることが自分の最終目標であるNBAに行く一番の近道なのかなと思った」と移籍決断の経緯を語った。折茂武彦社長(55)によると年俸はチーム史上最高額。背番号は大学時代からなじみがあり、日本代表でも背負う30番に決まった。
「最終目標がNBA選手になるということは変わっていない。自分個人としてもチームとしても成長することで、その目標を達成できる」と語る。クラブも富永の夢を全面サポートする方針。お互いにとってプラスになるからだ。桜井良太GM(42)は「NBAにたどり着くためにも、北海道で大活躍をしてもらいたいし、スキルアップもしてもらいたい」と期待する。
|
|
恩師との再タッグが実現するのも魅力だった。来季ロイブル氏が監督に就任。桜丘高2年だった17年のU−16日本代表初招集時から師弟関係を結ぶ。21年東京五輪3人制日本代表では、ディレクターコーチ兼監督と選手として大会に臨んだ。「彼が自分の強さを引き出してくれた。そういうコーチのもとでまたやれるっていうのはすごく楽しみ」と心待ちにする。
米国での経験をチームに還元する。高校卒業後に渡米し、レンジャー短大、ネブラスカ大をへて、今季はNBA下部Gリーグのマッドアンツでプレーした。「向こうは負けず嫌いの文化。そういう部分は大事」と、米国仕込みの闘争心をチームに注入するつもりだ。
武器の3点シュートでBリーグに初見参する。「今、Bリーグはすごく盛り上がっているし、レベルも上がってきている」。点取り屋として、チームの核として迎える来季へ「まずはCS(チャンピオンシップ)ってところを狙っていきたいのは間違いない。優勝を目指して頑張っていくのはもちろん、1試合1試合、一生懸命“全緑(ぜんりょく)”で戦っていけたら」と、新天地のチームカラー「緑」を強調して、意気込んだ。【保坂果那】
◆富永啓生(とみなが・けいせい)2001年(平13)2月1日、名古屋市生まれ。桜丘高からレンジャー短大を経て、21年にネブラスカ大に編入。24年9月にNBAペーサーズと開幕前キャンプ参加の「エキシビット10」契約を結んだが、解除となり、同年10月に傘下のGリーグ・マッドアンツ入りした。今季14試合出場、1試合平均5・4得点。日本代表では23年W杯、24年パリ五輪、3人制で21年東京五輪に出場。188センチ、85キロ。
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 Nikkan Sports News. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。