
胚移植の所要時間と妊娠結果
6月5日、アメリカの研究チームは、「Journal of Assisted Reproduction and Genetics」にて、凍結融解胚移植において胚移植時間と出生率に関連性があると示した。
胚移植時間と出生率は反比例の関係にあり、胚移植に要する時間が長くなるほど出生の可能性は有意に低下するという。
胚移植時間が妊娠結果に与える影響
研究チームは、2022年4月から12月の期間、凍結融解正倍数性胚移植2267回を対象に後向きコホート研究を行い、胚移植時間が妊娠結果に与える影響について検証した。
なお、胚移植時間は、胚培養士が少量の培養液と胚が入った胚移植カテーテルを医師に手渡してから胚を子宮内に戻すまでの合計時間(秒)とした。
胚移植1回あたりの出生率、生化学的妊娠率(化学流産率)、臨床妊娠率、妊娠喪失率を胚移植時間に基づき比較したところ、胚移植に要する時間が本質的に長くなる可能性を除き、胚移植時間と出生率において関連性が認められた。
|
|
最長時間となる第4グループ(55〜1028秒)は、最短時間の第1グループ(4〜27秒)と比べて出生率が有意に低くなった。
一方、生化学的妊娠率、臨床妊娠率、妊娠喪失率において相違は認められなかった。
また、胚移植1サイクル目のみを解析した場合、第1グループ(4〜27秒)と比較して、第3グループ(39〜54秒)では、出生率が有意に低下したという。第2グループ(28〜38秒)と第4グループ(55〜1028秒)おける有意差は報告されなかった。
(画像はJournal of Assisted Reproduction and Geneticsより)
SPRINGER NATURE Link
|
|
- 妊活・卵活ニュース
- 妊活・卵活ニュース 関連ニュース
- 女性のカラダと妊娠率
- 着床前診断とは?
- 男女の産み分けについて