バッジョやピルロも在籍したブレシアが消滅へ? 破産手続きが進行中、114年の歴史に幕か

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2025年06月10日 00:05  サッカーキング

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今季のブレシアは“ピッチ上”ではセリエB残留を決めていたが… [写真]=NurPhoto via Getty Images
 ブレシアが破産の危機に瀕しているようだ。『ガゼッタ・デロ・スポルト』や『スカイ・イタリア』など複数の現地メディアが報じている。

 ブレシアは1911年創設と歴史のあるクラブで、“イタリアの至宝”と称される元同代表FWロベルト・バッジョ氏が現役生活の最後を過ごした地としても知られる。その他、現在はマンチェスター・シティを率いる元スペイン代表MFジョセップ・グアルディオラ氏、“東欧のマラドーナ”と呼ばれた元ルーマニア代表MFゲオルゲ・ハジ氏、ブレシアを経てイタリア屈指の“レジスタ”に成長を遂げる元同代表MFアンドレア・ピルロ氏など、数々の名選手も在籍。直近では、元同代表FWマリオ・バロテッリ(現:ジェノア)や、同代表MFサンドロ・トナーリ(現:ニューカッスル)らも所属していた。

 そんなブレシアは、2019−20シーズンにセリエAに身を置いていたものの、わずか1年での降格を強いられると、以降はセリエBで戦っている。2024−25シーズンは残留争いに巻き込まれていたものの、最終的には9勝16分13敗の勝ち点「43」を獲得。15位に入り、なんとか残留を決めたかと思われた。

 しかしながら、シーズン終了後の5月18日にブレシアの給与支払いに関する問題が発覚。今年2月と4月の所得税と社会保険料の支払いを怠ったことが、財務監査機関の調査によって判明していた。この結果、ブレシアには勝ち点「4」剥奪のペナルティが科されており、結果として18位に転落。クラブは異議申し立てをしているものの、『ガゼッタ・デロ・スポルト』は「現時点では無駄だろう」と一蹴している。

 このままいけば、ブレシアは41年ぶりとなるセリエCへの降格、そして来季は勝ち点が「4」マイナスされた状態からスタートする見通しだった。しかしながら、衝撃はこれだけではなかった。

 今回の報道によると、ブレシアが来季のセリエCに登録するには、未払い金計300万ユーロ(約4億9000万円)の支払いが必要だったという。内訳は未払いとなっていた従業員への給与1カ月分、所得税2カ月分、社会保険料1カ月分、そして未払い金240万ユーロの初回分にあたる40万ユーロ(約6600万円)。これらを今月6日までとなっていた期限に支払わなければならなかったが、履行されなかったことで、来季のセリエC登録は事実上不可能となったようだ。

 なお、チェッリーノ会長はアメリカ合衆国のファンドに売却を検討していたものの、支払い期日までに大きな進展はなかった模様だ。既にクラブの弁護士、会計士、アドバイザーは解雇されたと報道。現在は破産に向けた手続きが進んでいると見られる。

 2016年夏の加入後、9年間にわたってブレシアでプレーしており、現在はキャプテンを務めるイタリア人MFディミトリ・ビゾーリは、自らのSNSアカウントを持っていないため、妻のInstagramを通してメッセージを発信。「このつらい瞬間に、私はブレシアのすべての人々、ブレシアに忠誠を尽くして犠牲を払ってきた人々、ブレシアの利益のために誠実さと献身をもって働いてきたすべての人々に連帯を示したかった。今日、114年の歴史が踏みにじられた。ブレシアは彼(チェッリーノ会長)のものではない。ブレシアは我々であり、だからこそブレシアは決して滅びることはない」などと綴っていた。

 なお、イタリアサッカー界では過去にもナポリ、フィオレンティーナ、パルマ、シエナ、パレルモ、カターニア、トリノ等のクラブが破産を経験しているものの、買収先が決まれば、旧クラブの歴史を引き継いで、アマチュアリーグから再建を果たすケースもある。ブレシアの場合も、現行のクラブは消滅するものの、新たな名称の下、アマチュアリーグから再スタートを切る可能性は排除できない。

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