母方にバーナーディニをもつジャンタルマンタル(撮影:下野雄規)【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆知っておきたい! 血統表でよく見る名馬
【バーナーディニ】
三冠レースのひとつプリークネスSを含めて米G1を3勝。引退レースのBCクラシックでも2着と健闘し、米最優秀3歳牡馬に選出されました。
父は名種牡馬エーピーインディ、母は米G1馬カララファエラという良血。エーピーインディの代表的な後継種牡馬は、プルピット、マリブムーン、コングラッツ、マインシャフト、フラッターなど、母の父がミスタープロスペクターであることが多いのですが、本馬はクワイエットアメリカンなので一味違います。クワイエットアメリカンは、キラロー≒デミュア2×1と表現することもできる異様な凝縮を抱えており、バーナーディニ以外にも、セイントリアムの母の父、ガンランナーの2代母の父など、現代の重要血脈の要所に含まれています。
本馬は安田記念を勝ったジャンタルマンタルの母方、平安Sを勝ったアウトレンジの父方に含まれています。今年のケンタッキーダービーとベルモントSの二冠を制覇したソヴリンティの母の父、同じくプリークネスSを勝ったジャーナリズムの2代母の父で、一昨年の米最優秀2歳牡馬フィアースネスの母方にも入っています。近年、多くの強豪馬の血統表のなかに含まれており、その影響力の強さが窺い知れます。
◆血統に関する疑問にズバリ回答!
「現1歳で注目すべき新種牡馬は?」
すでに1歳馬のクラブ募集が開始されています。新種牡馬の中で種付け頭数の多い順に並べると以下の通りです。左側の数字は種付け頭数、右側は血統登録頭数です。
エフフォーリア 198 125
チュウワウィザード 193 115
サリオス 176 109
ウィルテイクチャージ 174 88
オメガパフューム 155 78
ホットロッドチャーリー 133 80
カラヴァッジオ 128 45
マカヒキ 104 60
ステルヴィオ 91 59
インティ 75 41
ジャンダルム 70 55
エフフォーリアが種付け頭数、血統登録頭数のいずれにおいてもナンバーワン。初年度の種付け料「300万円」もカラヴァッジオと並んでトップです(2025年は400万円)。3歳時に皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念を勝って年度代表馬に選出された名馬で、エピファネイアの後継種牡馬第一号、という点でも注目です。
芝向きでは他に、同じ社台スタリオンステーションに繋養されているサリオス(父ハーツクライ)も魅力的です。