画像はイメージです(以下同) 人生には予期せぬ出来事がつきものですが、できるだけ嫌なことには遭遇したくないもの。原因を探ってみるとそこには、想像もしない恐ろしい事実や解決策が隠されているかもしれません。今回は、そんな体験をした川村涼子さん(仮名・当時20代)に話を聞きました。
◆家の前に動物のフン! 突然始まった嫌がらせの日々
涼子さんは1人暮らし。居候する勢いで押しかけてきていた親友の成実さん(仮名・当時20代)が、少し前に彼氏に借りてもらったマンションへと引っ越していったため、1人を満喫して快適に過ごしていました。ところがある日を境に、ピンポンダッシュがはじまります。
「インターホンは鳴るのに、玄関ドアの覗き穴を見ても誰もいない。ドアを開けても誰もいないということが続きました。そして今度は、家の前に置かれた段ボールを開けると動物のフンが入っていたんです。そんな気味の悪い出来事が次々と起こるようになりました」
つい前まで入り浸っていた成実さんもめっきり来なくなり、気が強いほうの涼子さんもさすがに恐怖を感じるように。そのような状況が続いたため警察への相談も考えながら過ごしていると、さらに無言電話までかかってくるようになります。
◆親友が泊まりに来てくれたのは良かったけど
「私はそのとき営業の仕事をしていたので、公衆電話や非通知の電話をブロックすることができませんでした。ほとんどが登録してある番号や番号通知でかかってきますが、稀にわざわざ非通知でかけてくる人もいたので」
職場にも相談できずにいた涼子さんは、精神的に参って成実さんに相談。すると『それは心配!』と、しばらくいっしょに寝泊まりしてくれるようになりました。ところが、彼氏の聡士さん(仮名・30代後半)を家に連れてきてはイチャイチャ……。
「私がいる前でキスしたり、食事どきには『あ〜ん』したりと、アツアツぶりをみせつけられる毎日でした。それでも私のために寝食を共にしてくれる親友の存在は、ありがたく心強かったです。最初のうちはよかったのですが、さらに無言電話の回数が増えて、精神的に追い詰められていきました」
◆ある日突然、犯人が判明! その意外な人物とは
ついには、ボイスチェンジャーを使ったような声で電話越しに「許せない……」と言ってから切られるようになります。そのようなことが数回続き、涼子さんと親友の成実さん、成実さんの彼氏・聡士さんの3人で、近くの交番に相談へ行くことになりました。そして玄関を出たところ……。
「見知らぬ女性が泣きながら走ってきて、『あんた、ここで何してんのよ!』と詰め寄ってきたのです。最初は全員パニックでした。ですが、よくよく話を聞いてみると、その女性は聡士さんの奥さん。聡士さんと成実は不倫だったのです。知らなかったのは私だけ」
聡士さんと成実さんは、成実さんが働く夜の店で知り合ったことが判明。しかも成実さんは涼子さんのマンションに入り浸っていたとき、営業として働く涼子さんが留守の昼間にコッソリと聡士さんを連れ込んで、ラブホテル代わりにしていたことも発覚します。
「そのため奥さんは、私のマンションの部屋を憎き不倫相手の家だと勘違いして、嫌がらせをしていたようです。ピンポンダッシュや動物のフンについても、奥さんの仕業でした。それも相当ヤバイ話ですが、知らない間に自分の部屋をラブホ代わりにされていたことも怖かったです」
きっと電話番号も、宅配物や郵便物から盗み見たのでしょう。恐ろしや……。
◆驚愕の親友の裏の顔
しかも成実さんは最近、「涼子は不倫が嫌いだから、バレないうちにさっさと2人だけの居場所を作りたい」などと聡士さんに懇願。聡士さんに借りてもらったマンションで不倫タイムを満喫していたということも知り、怒りが込み上げてきます。
「また、成実が私の住所を『自分の住所』だと偽り、夜の店で働くときやポイントカード作成時に記載していたこともわかり、心の底から恐怖を感じました。そのため、成実には知らせずに引っ越し。携帯番号も変えて親友関係もそっと解消し、スッキリしました」
涼子さんは成実さんと連絡を取らなくなってから、驚くほど穏やかな毎日を送っているといいます。周囲で何か予期せぬことが起こったとき、その原因や解決策は意外と身近なところに隠されているかもしれません。
―シリーズ「業界ウラ話&本当にあった怖い話」―
<文/夏川夏実>
【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。X:@natukawanatumi5