宝塚記念に出走予定のレガレイラ(撮影:下野雄規) 上半期の古馬王道路線を締め括るグランプリ、宝塚記念。ファン投票によって選出されたスターホースたちが、阪神競馬場の芝2200mを舞台に激突する。今年もGI馬が多数顔を揃え、世代や路線も様々な実力馬によるハイレベルな一戦が期待される。過去のデータを紐解き、レースの傾向を分析する。
1.4歳馬優勢も5歳馬も互角、ベテラン勢は割引が必要
過去10年の馬齢別成績を見ると、4歳馬が[3-2-6-27]で複勝率28.9%、複勝回収率123%と好成績を収めている。出走数も多く中心世代と言えるだろう。これに続くのが5歳馬で、[7-4-4-42]と最多の7勝を挙げ、複勝率も26.3%と4歳馬に引けを取らない。一方で、6歳馬は[0-3-0-23]、7歳以上は[0-1-0-27]と勝ち星がなく、複勝率もそれぞれ11.5%、4.8%まで大きく落ち込む。馬券戦略としては、充実期にある4、5歳馬を中心に組み立てるのがセオリーだ。
2.前走惜敗の2着馬に妙味あり、高い好走率を誇る
前走の着順別成績では、前走2着だった馬が[4-2-1-10]で複勝率41.2%という非常に高い数値を記録している。さらに単勝回収率226%、複勝回収率112%と馬券的な妙味も十分だ。前走1着馬も複勝率33.3%と決して悪くはないが、回収率は単複ともに100%を下回っており、妙味の点では薄い。
3.牡馬を凌駕する好成績、牝馬は複勝率40%
性別ごとの成績に目を向けると、驚くべき傾向が見えてくる。牡馬が[6-7-6-96]で複勝率16.5%であるのに対し、牝馬は[4-2-4-15]で複勝率40.0%という圧倒的な好成績を残している。出走数は牡馬の4分の1以下にもかかわらず、4勝を挙げている点は特筆に値する。さらに単勝回収率145%、複勝回収率179%といずれも100%を大きく超えており、牝馬というだけで積極的に狙う価値があることをデータが示している。
唯一の牝馬レガレイラが中心。昨年末には牡馬の強豪を相手に有馬記念を制しており、グランプリレースへの適性は証明済み。好走率の高い4歳馬というデータにも合致する。半年近い休み明けとなるが、同じく中9週以上のローテーションで臨んだ馬も過去に4勝を挙げており、不安よりも期待が上回る。グランプリ連覇の偉業達成は目前だ。