
吉本興業所属のタレントからオリジナルのビデオメッセージが届くサービス「ラフレター」が話題になっています。ネット上では結婚式に合わせて注文した人の投稿が拡散。「私も絶対やってもらいたい」「みんながハッピーになるサービス」といった反応が相次いでいます。実際に利用した人と、吉本興業に話を聞きました。
【写真】結婚式で上映すると…ドアの外まで笑い声が(当日の写真)
結婚式は「大盛り上がりでした」
Xのアカウント名「も〜ウチにかまわんでよ」さん(@ongr__mgmg)は今春、自身の結婚式に合わせてサービスを利用。家族みんなで応援する2組のお笑いコンビ「エバース」と「ケビンス」に依頼しました。
「もともと結婚式はしたくなくて、人前に出るのも苦手だったので、披露宴はなく会食スタイルにしました。(ゲストへの)おもてなしばかり考えていたので、『せめて自分の思い出用に…』と思ってラフレターを利用しました。内容や言って欲しいこと、やって欲しいことは全て私が決めてお願いしました」(も〜ウチにかまわんでよさん)
当初は自分自身の記念のために頼んだ動画でしたが、せっかくならと新郎新婦入場前のオープニングムービーに加えることにしました。
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結婚式当日。会場内に動画が流れ、エバースの佐々木隆史さんが「えーー、あのーー」とゆっくりと話し始めると、親族席では父親が「えっ、本当に知り合い!?」と驚き、職場の同僚たちも「友達が芸人さんとして頑張っているのね」と勘違い。
「エバース、ケビンスのファンである私の家族席は大盛り上がりでした。(スタンバイしていた)ドアの外からでも会場内の笑い声が聞こえてきてうれしかったです」(も〜ウチにかまわんでよさん)
場慣れした式場スタッフたちも「こういうサービスがあるんですね」と驚いていたそうです。
結婚式後、ラフレターの感想を自身のXに投稿すると、表示回数は107万回を超えるほど拡散。ネットユーザーからは「私も絶対やってもらいたい」「おめでとうのギャグをいただきたい」「みんながハッピーになるサービス」などと反響が広がっています。
吉本興業も驚いた予想外の使い方とは
ラフレターは2023年7月にスタート。注文ページのタレント一覧から依頼したいタレントを選び、話してほしい内容などをリクエスト。発注から12営業日ほどで動画が届きます。
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参加タレントは、サバンナ(八木真澄さん)、すゑひろがりず、ジェラードン、ジョイマン、ネルソンズ、ヨネダ2000など51組以上。
価格は動画の長さやタレントによって異なり、一例では30秒16500円、60秒22000円、180秒44000円(全て税込み)など。
吉本興業の担当者によると、これまでの申し込み件数は累計で約340件(2025年5月現在)。予想を上回る反響に「非常に大きな手応えを感じております」(吉本興業担当者)。
「人生の大切な瞬間にラフレターを選んでいただけることを、とても光栄に感じています。ご利用いただいた方からは、『笑って泣いた』『一生の思い出になった』といった感想を多くいただいており、“芸人の言葉”がギフトとして新しい選択肢になってきているという実感があります。単なるお祝いのメッセージにとどまらず、心に残る記憶として受け取っていただいているように感じています」(吉本興業担当者)
全体の約7割は結婚式や誕生日など「大切な日のプレゼント」としての依頼ですが、中には同社を驚かせる予想外の使い方もあるそう。
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「私たち自身も意外だったのが、自分自身へのメッセージとしてご利用される方が3割近くを占めて想像以上に多いという点です。誰かに贈るのではなく、『落ち込んだときに自分を励ますために』『大事な勝負の前に勇気をもらうために』など、自分の心の支えとして動画を注文される方が増えてきており、芸人さんの言葉の力を改めて感じています」(吉本興業担当者)
意外な需要に驚いた同社では、「自分のために頼むことも、もっと気軽に楽しんでいただきたい」という思いを強くしているといいます。
「ラフレターは、“笑い”という枠を超えて、人の心にそっと寄り添える存在になっているのだと日々感じています。芸人さんの言葉が、誰かの背中をそっと押したり、気持ちを軽くしてくれたりする。そんな場面に立ち会えることが、私たちスタッフにとっても大きなやりがいになっています」(吉本興業担当者)
動画イメージや決済方法など、詳細は「FANY Mall」公式サイト内で。
(まいどなニュース・金井 かおる)